Steam版バイオハザード ヴィレッジ DLC & バイオハザード RE4の海外キーがリージョンロック、海外版ヴィレッジ本体 + 日本版DLCを組み合わせた結果・・・

※追記:10月31日にDLCのキーに設定されていたリージョンロックが解除される。日本版のDLCを返金(プレイ時間30分)した後、海外版のDLCキーを購入して有効にしたところ問題なく登録でき、イーサンの腕なども正常になったことを確認。

 

以下は当時の記事

 

CERO Z版でも海外版に比べてマイルドな表現となるゴア規制が嫌だったので、Steam版バイオハザード ヴィレッジはSteamから直接買わず外部キー販売サイトGamesplanet(GP)にて海外バージョン(日本語音声・字幕両方完備)を購入して遊び、発売から1年経過して新たに登場したDLC「ウィンターズ エクスパンション」においても海外バージョンと日本バージョンで別IDがつけられてデータベース上に登録されていたので念のためDLCにおいてもGP経由で予約しておいた。・・・のだが、

発売前日になってなんと日本から有効化できないという理由で返金対応に。マジかー。

購入画面を開こうとしてもおま国となっていてもう予約はできない状態になってしまったので、イチかバチかで日本版DLCをSteamストアから直接予約、ゲーム本体は海外版 + DLCは日本版という組み合わせでゲームを起動したところ、

従来のFPSモード時におけるゴア表現(ライカンの頭部欠損、イーサンの腕が切断)はそのままなんだが、DLCにて追加されたTPSモードやシナリオ「Shadow of Rose」において

TPSモード時にイーサンの腕が一切表示されなくなったり(日本通常版はイーサンの腕が切断されないので整合性が取れていない?)、

「Shadow of Rose」においてゴアではないがややショッキングな光景なので別リンク

演出的に違和感はない(むしろ敵のデザイン的にはこちらのほうが近い)ものの、海外版では赤くケロイド状になっている顔の皮膚が白く荒れている状態になっている。

TPSモードは致命的な不具合が発生しているものの遊ぶ予定はない、「Shadow of Rose」は許容範囲ではあるものの、本当に問題なのはこのバイオハザード ヴィレッジ DLCはともかくとして、なんと来年3月発売予定のSteam版バイオハザード RE4も現時点で外部キーは日本からの登録が行えないことが告知されていて外部キーサイトでの予約が行えない状態となっている。今までバイオハザード7・RE2・RE3・ヴィレッジと海外版の外部購入を許容していたのに突如として規制したのはどういった理由なのか?そもそも日本版だろうが表現物の内容を規制して何かしら得があったことが今まであるのか?

C / C++ 言語のswitch文を最適化 (テーブルジャンプが使われるようにする)

先に概要を書くと

  • caseの値は連番かつ昇順(上から小さい数で下に行くほど増えていく)となるように心がける。ある程度caseが多ければあとは勝手にコンパイラがテーブルジャンプ最適化を行う。
  • goto文やreturn文などでswitch文途中から抜けないようにする。あるとテーブルジャンプ最適化が行われない。
  • MSVC(Visual Studio)でコンパイルする場合、default:の箇所に__assume(0);と記述すれば上記二つを無視して強制的にテーブルジャンプ最適化が行われる。ただし、goto・return等でのswitch抜けがあるまま実行すると例外エラーが発生する。
  • 追記:上記の__assume(0)はC++23から「std::unreachable()」で標準化

 

FM TOWNSエミュレータ津軽」を弄っていて、どうもエミュレーターの実行速度が既にあるTOWNSエミュレータの「うんづ」や同じようなx86 CPUを積んだPC(PC98・IBM PC)のエミュレータと比べても遅過ぎるのが謎だったのでちゃんと調べることにしたのが事の始まり。どのくらい遅いのかというと現在Core i5 12600を搭載したPCを使っているのだけど、486 66MHzくらいのCPU速度をエミュレートするのがギリギリといったところ。エミュレータには対象のマシンよりも何倍もの性能を持ったものが必要なのは仕方ないにしても、シングルコアで比較してもおそらく300倍差があるんだからもっと早くても良さそうだ。簡単に考えるとエミュレートするCPUの1命令を実行するために、ホスト側のCPUでは300命令も実行して再現しようとしているからここまで遅いんですね。

公開されている津軽ソースコードを見ても他のエミュレータと比べても大差ないようなCPUコアの実装でコードを見ただけでは全く原因がわからず、Visual Studioの診断ツールを実行(RelWithDebInfo設定でコンパイルし、「デバックの開始」ボタンを押してCPU時間の測定で記録)し、コードで時間がかかっている処理の場所を可視化したところ

CPUの一命令を実行するRunOneInstruction関数で、CPU命令を読み込むFetchInstruction関数内の処理を除くと、読み込まれたCPU命令を元に分岐して処理を実行するswitch文の一か所だけで、なんとプログラム全体の約16%もの処理時間がかかっている。

このswitch文を確認すると

switch

{

case 0:

break;

case 1:

break;

case 2:

break;

case 3:

break;

case 33:

break;

case 39:

break;

case 34:

break;

case 22:

break;

とCPU命令のオペコード数値順じゃなく、命令のオペランド(実行する命令の演算値の場所を指定するところ)順に並べているのか微妙に飛び飛びにcaseの値が指定されている。これだとジャンプテーブルという配列にジャンプ先のアドレスを入れてそこから読み込んですぐ分岐が行われるテーブルジャンプという実装方法での最適化がコンパイラで行われず、大量のif~else if~文に置き換えられてしまうのだろう。命令数を数えたところなんと308個。それが全部if文となり分岐するかどうか調べられるので、処理に時間がかかっていたのだ。

本来ならば、

case 0:

case1:

case 27:

case 34:

case 39:

とちゃんと整理すればいいのだろうが、可視化しやすいようにこの並び順にしていた可能性があるのと、そもそも308個のcase文を並び変えるのが面倒だし、並び替えに失敗していたら最適化が行われないとなるので何とかこのままの状態でテーブルジャンプ最適化が行われないかと調べたら、同じようにエミュレータのCPUコア実装でテーブルジャンプの考察を記載しているサイトにてMSVCのみではあるが、default:に__assume(0)と追記するとテーブルジャンプに展開されるとあったので藁にも縋る思いで、

default:
#if defined(_MSC_VER)
        __assume(0);
#endif

とこの3行(実質1行)のみ追記して他は手つかずのまま再度診断ツールを実行したところ、

なんということでしょう(ビフォーアフター風)

約16%もCPU時間を占めていたswitch文が約1.6%とほぼ十分の一まで負荷が下がってくれました。

津軽のエミュレート速度を図る方法、コマンド入力で「pri timebalance」で1ms毎のエミュレートの進行速度を示す値値平均でも、改良前はCore i5 12600環境でVM CPU速度 66MHz設定におけるTownsOS上の計測値は約170000だったのが、

テーブルジャンプ実装後は約220000まで向上。たった1行だけで1.3倍の高速化が実現できた。もう一か所テーブルジャンプ化されていないそこそこ長いswitch文があってこちらもテーブルジャンプ化(__assume(0)追記だけでなくcaseも整理)したが、こちらはRunOneInstruction内ほどの効果はなかった。このswitch文以外にもまだボトルネックになっているところはあるが、これだけでもだいぶ動作が軽くなった。絶大な効果があったのでGithubでpull requestを送信し、さっそくmerge(コードの変更を承認)される。まだGithub上のコードでのみ反映されていないが、次回のリリース版では前バージョンよりも軽くなっているはずだ。

 

なお、VCでは__assume(0);でまず間違いなくテーブルジャンプ化されるのだが、case内でgotoやreturnなどを使いswitch文途中で抜けるような処理を書きそこに到達すると例外エラーが発生してしまうので要注意。caseで処理が終わる場合はbreak;でswitch文下に続くようにする。

発売が許可されなかったSteam版「CHAOS;HEAD NOAH」が一転発売決定。配信予定日は当初の予定通り10月8日

渋谷で発生したニュージェネレーションの狂気(ニュージェネ)」と呼ばれる猟奇殺人事件に巻き込まれた引きこもり寸前の高校生西條拓巳を主人公としたアドベンチャーゲームCHAOS;HEAD NOAH」(カオヘ)
5pb.Gamesよりリリースされている科学アドベンチャーシリーズの1作目となり、「STEINS;GATE」「ROBOTICS;NOTES」そしてこのカオヘ直系作品「CHAOS;CHILD」(カオチャ)までPCゲーム配信サイト「Steam」でリリースされてきており、今作のみ今までリリースされてこなかったのが海外Nintendo Switch版と同時リリースとなる10月8日より配信が開始されることが今から3カ月ほど前にアナウンスがなされた。
直系作品も既に出ていて似たような猟奇的な表現のある作品はSteamにあれど高校生が巻き込まれるという設定上、未成年の表現に厳しい最近のSteamでは本当に大丈夫なのかと不安視する人もいたが、発売アナウンスから約一か月後となる8月16日、SteamDBの情報からこのSteam版カオヘが発売に必要なコンテンツの事前審査に落ちたことを示すデータが表示されている(各テキストデータはないもののバナー画像やムービーだけは閲覧できる)状態となっていることが確認され、それから発売元のスパイク・チュンソフトからアナウンスがなかったものの、配信予定日の5日前となる10月3日になってようやく発売中止を伝えるニュースが告知される。

スパイク・チュンソフト ニュース - Steam版『CHAOS;HEAD NOAH』 発売中止のお知らせ

だが、本国の日本はともかくとして、今まで公式ローカライズ版がなかった海外のファンは納得しなかった。コンソール機であるNintendo Switch版は予定通り発売できる、そのSwitch版もAmazonウォルマートといった各小売店で取り扱いが行われる、猟奇的といってもESRBやPEGIの独立レーティング団体の審査を通っている表現、など審査落ちに関して不可解な点が多い。発売中止を知らせるニュースで事情を知らない人間がとやかく言っていたが、Valveはかつて「トロル/違法な表現を除いてSteamは制限しない」と言っていたのだ。カオヘに(アメリカ・会社がある州で)違法な表現が含まれているなら、何故にValveと同じアメリカ・ワシントン州にあるNintendo of Americaが発売を許可したりレーティング審査を通ったんだ?ハッキリ言えばValveは顧客にたいして嘘を言った(そして今でも言い続けている)ことに他ならない。

海外スパイク・チュンソフトの発売中止アナウンスから少しして、「Project: Save Chaos;Head」と称した有志の署名活動、およびValveの取締役であるゲイブ・ニューウェルへのメールでの直談判(彼は客の声を聞くということでメールアドレスを公開している)といったキャンペーンが実施される。

そしてその効果が実ったのか、当初の発売予定日前日となる今日10月7日、スパイク・チュンソフトから一転してSteam版発売が再決定し、配信日も当初の予定通り明日10月8日からとなることが告知。

スパイク・チュンソフト ニュース - Steam版『CHAOS;HEAD NOAH』 発売再決定のお知らせ

Steamストアページも開設されている。

なおスパイク・チュンソフトの公式アナウンスでは合わせてValveからの回答も掲載しており

「Valveコンテンツレビューチームは、先日リジェクトを決定した「CHAOS; HEAD NOAH」の再検証を実施した結果、修正のないオリジナルの状態での販売を承認いたします。今回の「CHAOS; HEAD NOAH」での審査プロセスの問題を見直し、今後このようなことがないように努力に務めてまいります」

「今後このようなことがないように努力に努めて」まあ、いつもの嘘だろう。前にも似たような回答を別の会社に出してそれで今回の騒動も起きた気がするんだから。嘘つきはゲイブの始まり、ってアメリカのことわざにもあるくらい(ないです)なんだからね。いや、「努力」という表現に留めていて「絶対繰り返さない」じゃないからギリ嘘ではないのかもしれない。

それと、今回はある程度ファンの声が大きかったから審査が覆った形となったが、基本的には審査落ちすると再審査は受け付けない(審査落ちしたコンテンツを無修正のままならなおさら)、これがもっとマイナーゲームだったらそのまま(Steamだけに)蒸発してしまっていた可能性が高い。実際、こうやってSteam版が消えていったタイトルは数知れず。

 

ただ、カオヘは結構ややこしいことになっているのだが、「修正のないオリジナルの状態での販売」とValveの返答文に書かれているものの、おそらくこのオリジナルと称したものはあくまでも「Valveに提出したバージョンを基準としたもの」であって、ファンが修正のないと聞いて連想するはずのCERO:Zの表現が含まれたXbox 360・PS Vita版相当のものではない可能性が高い。

実は日本では今年2月にカオチャと両方を収録したNintendo Switch版が発売されているものの一部シーンが無くなっていたり文章に修正が入っているCERO:DのPS3PSP版と同等の内容になっている。だがカオチャの方には修正が入っておらずこちらはCERO:Z相当になっていて、両方収録なのでカオチャ側はCERO:D表現でもZタイトル扱い。Steam版においてもこのSwitch版ベースに移植していると思われるので、Steam版自体の発売決定は大変喜ばしいが過度の期待はしないほうがいいかもしれない。

FM TOWNS / MARTY用新作ゲーム「CELESTE Classic」

富士通が1989年に発売したパソコン「FM TOWNS」用新作ゲームとして、去年「DOOM」を移植したものの、実質FM TOWNS II MA/MX以降用でFM TOWNS全機種で動かせるタイトルではなく、巷では主流(?)の初代機となる灰色FM TOWNSやそれをベースに設計されたFM TOWNS MARTYでは遊べないという問題があったので他のゲームでそれらのスペックでも移植できそうなタイトルを検討していったら仮想ゲーム機エンジン「PICO-8」向けに作られていたフリーゲームCELESTE Classic」ならやれるかなということで移植してみた。

Googleドライブ - CELESTE Classic for FM TOWNS (2022年11月10日更新)

(使用したサウンドドライバ「MSVライブラリ for High-C V2.08」のファイルはSRCフォルダに一緒に同梱しています)

TownsOS V2.1 L31以上用、FM TOWNSエミュレータ津軽」「うんづ」、FM TOWNS MARTY実機でクリアまでできることを確認。

2005年辺りに海外の人がFM TOWNS MARTYで起動するゲーム(?)を作っていたようだけど、それ以来誰もMARTY用にはゲームを作っていないと思うので多分約17年ぶりに出たFM TOWNS MARTY対応ゲームかな。

 

毎日チマチマ移植作業をやっていって1か月くらい(時間かけすぎとか言わない)かけてとりあえず完成。SDL移植(Windows・3DS用、その派生でVita・PS3用)とかGBA移植とかSwitch移植とかネイティブ移植じゃない3DS・Switch向けのプチコン SmileBASIC版とか、DOOMと同じように有志移植が割とあるタイトルだが、プチコンを除くC言語移植は浮動小数点演算で計算されていたり音源がストリーミング再生だったりでソースコードをそのまま持ってきて移植はできなかったんで、PICO-8の内部計算が16.16計算の固定小数点演算なのでTOWNS版も同じく固定小数点演算となるコードにしたり、流石に元の尖った音色と一緒とはできず柔らかい音色となってしまうが矩形波三角波・鋸波・ホワイトノイズに近い波形をFM音源で作って鳴らすとか工夫することとした。

エミュレータ津軽」上では表示が問題なかったのにFM TOWNS MARTY実機上で動かしたところ、何故か主人公の髪の毛の表示がおかしかったり吹雪がすべて2ドット分の大きさで表示されてしまうという不具合が発生してしまった(MARTY実機で録画した上の動画参考)。とりあえず、実際にゲームクリアまで行けることは確認はしたのでこれで実行ファイルやソースコードを公開しておくが、エミュレータの問題かMARTYの問題か確認して、他にもある問題点と合わせて修復するかもしれない。(吹雪が2ドットとなる問題は津軽のスプライト縮小アルゴリズムの問題で、エミュレータ側で実機と同じアルゴリズムとなるアップデートが適用されたのを確認し、2022年9月14日版で修正。)

それと、サウンドドライバとしてVectorに置いてあった「MSV ライブラリ V2.08」を使用したのですが、どうもバグがありそうでBGMのテンポが乱れたり効果音の多重音声ができない、といった不具合があったのでどなかた既に閉鎖済みの公式サイトで配布されていた最終版(V2.08)のファイルをお持ちって方がいれば教えてください

上のスクリーンショットエミュレータ津軽」上で撮影したもの。

 

TownsOSがインストールされたHDDを接続しているTOWNS機なら任意の場所にゲームファイル群を入れてCELESTE.EXPを実行すればいいだけだけど、FM TOWNS MARTY 実機などでフロッピーからブートして動かしたいという人向けの解説。

まずはTownsOS V2.1 L31以降のCDからブート(以下の解説ではV2.1 L51を使用)

TownsOSが起動したら一番上にあるメニューから「ディスク」を選んでその中の「初期化」を実行

フロッピーディスクをドライブにセットし、「システムの複写」は「する」、「ディスクの種類」は「1.2MB[2HD]」、「ディスクの名前」は任意(自分はCELESTEとした)、で設定して「実行」ボタンをクリック。フォーマットと起動ディスクの作成が始まる。

起動ディスクの作成が終わったら、「ドライブ選択」からフロッピーディスクドライブを開いて表示されたウィンドウの右上角の水色のボタンを押して「ファイル」を選択、ファイル一覧が開くのでそこにSRCフォルダ・CELESTE.DOC・CELESTE.ICNを除く全ファイルをコピーする。間違っていなければ上のスクリーンショットのようになるはずだ(PICO8.PMBというのが入っているのがテスト版で作っていた残骸を間違って入れただけなので無視して)。

最後にTownsOS上のアイコンで「テキスト編集」というプログラムを実行し、フロッピーディスクドライブ上のAUTOEXEC.BATを開く、「:EXIT」の次の行に

「RUN386 CELESTE」

という行を追加して上のメニューから「ファイル」を開き「同名保存」を押してファイルを更新する。

あとはこのフロッピーからブートすればCELESTE Classicが立ち上がるはずだ。

 

 

 

元が8bit風仮想ゲーム機ということで見た目的には派手さはなく地味な画面かもしれないが、FM TOWNS用に移植する際は結構トンチな表示方法をしている。

 

PICO-8の画面は解像度128*128 16色 30fpsというスペックで、過去に書いた記事のとおりTOWNSのスプライト性能は60fpsを維持するのに16*16サイズのスプライトを(初期型で)最大227枚まで表示可能で、PICO-8の30fpsを基準とするなら切りのいい448枚くらいまではフレームレートを維持して表示することができるのでキャラクターや細かいオブジェクトのみならず背景スクロール・地形・舞い散る雪を含めてすべてスプライトで表示している。一部シーンで448枚を超えるシーンが発生するがその場合は背景スクロールの一部が非表示となって448枚に収まるようにしている。背景が単色なのであまり目立たないようにはなっている。固定されている地形だけでもビットマップ面に表示すれば?と思うだろうが忘れちゃいけない、TOWNSはスプライト・ビットマップ面の表示優先順位が固定となっているので、それで表示しようとすると今度は背景スクロールが難しくなる。

TOWNSのスプライト面の解像度自体は256*256と十分なものの、単純に元の128*128ドットの絵を2倍拡大して256*256相当に置き換えて表示してしまうと、FM TOWNSの31KHz画面モード時の実解像度が640*480ドットな関係で小さく画面上に表示されてしまったり、CRTCの機能で2倍拡大して表示すると縦512ドット相当となって実解像度の480ドットをはみ出して実質240ドット分しか表示されない。

そこで、TOWNSのスプライト機能の一つである1/2限定の縮小表示機能を使って1スプライトを8*8ドット相当にし、解像度はPICO-8版と一緒の128*128、それを3倍拡大して384*384相当にして640*480の画面上の中央当たりに表示している。これでもまだ黒縁部分の領域が広い画面となってしまうが、256*256の画面をそのまま等倍で表示するよりは1.5倍ほど大きくなる。

 

ビットマップ面に関しては二段ダッシュが可能となるオーブが出現する大箱を開いた際のフラッシュ演出で背景色が変わるところでしか使っていない。ビットマップ面に関しても解像度は128*128ではなく実際は16倍拡大されており実質16*16。単色なので解像度はどんなに低くても問題ないし、第一128*128の範囲に固定値を出力するだけの操作でも、386 16MHz 3ウェイト / 386SX 0ウェイト程度のCPU能力ではこの程度のことでも30fpsを維持できないほど非力。解像度を下げることは必須となる。

 

Steam版「Disco Elysium」(ディスコエリジウム)が正式日本語対応

テーブルトークRPGをベースとしたゲームシステムで、記憶喪失となったある男となり殺人事件を解決するロールプレイングゲーム「Disco Elysium」のSteam版に日本語字幕が追加されるアップデートが配信されている。

8月25日の日本Switch/PS4版発売に合わせてSteam版も日本語対応が行われると公式アナウンスがあったものの予定日の25日になってもアップデートが配信されず、その日の夜中にようやく配信が行われたと思ったら更新から数時間後なんと日本語が削除されるという再アップデートが配信されどこかの会社から横やりがあったのかと心配されたが、26日未明にまた日本語アップデートが再配信が行われた。

アップデートを適用しても日本語にならない場合はオプションから「Language」(言語)という項目を選んでその中の「日本語」を選択すれば表示されるはずだ。

なお、フォントの表示が重なってしまうなど見づらい場合は言語切替設定があった場所の下にある「Dyslexic Font」という項目のチェックを外そう。フォントが明朝体となり整列されて表示されるようになる(下のスクリーンショットはこの設定に気づかず「Dyslexic Font」にチェックを入れたまま撮ったもの)。

 

Steam版「Marvel's Spider-man Remasterd」が配信開始。もちろん日本語、レイトレーシング、爆速ロード時間対応

長らくPlayStation独占タイトルとなっていたアメコミ「スパイダーマン」を原作としたオープンワールドアクションゲーム「Marvel's Spider-man Remasterd」がSteamでも配信が開始された。価格は定価5,900円。日本語音声・日本語字幕対応。

恋人であるMJと別れてから半年後、宿敵であったフィスク(キングピン)を遂に捕らえることができたスパイダーマンだったが、フィスクの勢力を埋めるかのように仮面を被る謎の武装集団「デーモン」といった新たな勢力も現れ休む間もなくニューヨークを守るため活動を行う。

糸を建築物に飛ばして振り子のようにぶら下がって摩天楼の間を高速移動を行うウェブ・スイングによる移動の気持ちよさ、ボタン連打や長押しによる簡単操作による格闘攻撃のみならず各種ガジェットも活用する爽快感溢れる戦闘シーン、広いニューヨークの至る所に隠された小ネタの数々、とオリジナルの時点で高い評価を受けた名作で、Steamにおいても現時点で「圧倒的に好評」のユーザーレビューを受けているほど。

 

元はPS4のゲームだが、副題からも分かる通り今回のPC移植に関しては後に移植されたPS5版をベースとしたものとなっている。

DLC全3部作「摩天楼は眠らない」については最初から収録されており、グラフィック関係についても4K解像度・ウルトラワイド・高フレームレート化(PS4版は上限30fps)といった基本的なものだけでなく、反射表現のみとはいえレイトレーシング描画に対応

下の画像はレイトレーシング設定を無効(左側)・有効(右側)時の比較画像・レイトレーシング設定以外はすべて最高設定・解像度1080pとなる。

レイトレーシング設定無効時には疑似的な環境マッピングが貼り付けられそのマッピング自体も荒いが、有効にすると画面外のオブジェクトも正確に描画される鏡面効果が表れまだノイズ状ではあるが荒さも軽減される。難点は車体にもレイトレーシング反射が反映されるものの反射が強すぎる感があり、自分のPC環境の問題(一応ビデオドライバは最新版適用済み)か一部箇所でブロックノイズが発生し全くオブジェクトが描画されないバグが発生する。

 

なお、負荷によってレンダリング解像度をゲーム中に可変される動的解像度スケーリング設定がデフォルトで有効化されているようなので、ゲームをプレイしていて妙にフレームレートが安定しなかったり特定シーンの画質が低下する様に見受けられる場合はオフに切り替えて試してみたほうがいい。

 

グラフィック以上に驚いたのがロード時間が本当に爆速な点。PC環境や誤差にもよるだろうがゲームを立ち上げてからスパイダーマンを実際に操作できるようになるまで10秒もかからない

実際にどれほど爆速なのかわかりやすく動画にしてみた。ランチャーから起動していることを証明するためウィンドウモード設定にしているが、PC環境はCore i5 12600、メモリ 16GB・GeForce RTX 3060 T・、PCI-E Gen4 SSDへインストール、各メーカーロゴをスキップするためにボタンを連打してゲーム画面が表示されるまでに8~9秒程度しかかかっていない。

Valveの携帯PCゲーム機「Steam Deck」が日本でも予約可能に

PCゲーム配信サイト「Steam」を運営するValveが開発した携帯PCゲーム機「Steam Deck」が遂に日本からも予約が開始された。

Steam Deck 予約 – Steam Deck

販売代理店は日本でのSteam円決済システムを構築したデジカが立ち上げた会社でValve Indexの販売代理店も行っているKomodoが担当している。

Valveの本国公式サイトとは別の会社表記・URLということで疑う人もいるかもしれないが、Valveからもアナウンスがあるので正式なもので間違いない。

流通プロセスの迅速化などの関係か予約を行うと1,000円の前払い予約金が発生し、在庫が確保された時点で予約者にまた購入案内メールが送られ、72時間以内に案内に沿って予約金が差し引かれた商品代金を支払うことで本購入となっている点に注意。72時間以内に本購入手続きを行わないと予約はキャンセルという形になるようで次の予約者に在庫が回ってしまう、また日本国内向けの在庫は2022年後半ということなので忘れたころになってメールが届いていることもありうる。

 

Steam Deckはサイズ298mm x 117mm x 49mm、重量は約669グラムとNintendo Switchと比べても二回りほど大きく現代に蘇ったゲームギアAtari Lynxといって差し支えない携帯機(?)で、その分性能はそこそこ高くValveとAMDの共同開発によるAPU(SoC)と16GB DDR5メモリを搭載し、価格帯によって異なる64GB eMMC・256GB SSD・512GB SSDのストレージ、LinuxをベースにWindows用アプリを動かす互換レイヤーを載せた独自のOS「SteamOS」を起動させてSteamにあるゲームを動かす。わかりやすく言えば演算性能・ストレージ読み込み速度はPS4の4倍以上、グラフィック性能は同等かやや上といったところ。ゲーム機のようだが実態はパソコンそのものでOSがWindowsアプリを動かせるようにしている関係上Steam上のゲームのみならずWindows用アプリであれば動かすことは可能となっているが、SteamOS自体の互換性やMicrosoftストア上のアプリやDRMなどの影響が原因で動かないといった場合にはWindows 10・11用のドライバも提供されているためWindowsのライセンスキーがあれば代わりにWindowsをインストールすることも可能。

同じ携帯できるという観点からNintendo Switchと比較する人が多数見受けられるが、大きな違いとして前述のとおり性能に差がある関係で現時点でNintendo Switchでは遊べないエルデンリング・Stray・Ghostwire Tokyo・デスストラクティング・GTA5といったスペックの要求されるタイトルや、PS独占タイトルのGod of Warや今後発売予定のMarvel's Spider-man、Xbox独占タイトルのForza HorizonシリーズといったPC版が出ている新しめのタイトルもSteam Deck上で動作することが確認されている。

それなりの性能を兼ね備えながら持ち運びが可能というアドバンテージがあるものの、その分ややバッテリー寿命は短く(1時間半~2時間)、現在円安の影響もあって割高な価格設定となってしまっている。

本国価格では64GB eMMCモデルが399ドル、256GB SSDモデルが529ドル、512GB SSDモデルが649ドルだったのに対して、日本ではそれぞれ59,980円・79,800円、99,800円という価格設定。一般的なゲーム機では現在でも海外・日本価格は1ドル=100円レート相当になっているハードが多く、ゲーム機というとその価格設定を連想するためそれらに比べると1.5倍近く高く感じる。

また一番価格の低いモデルは64GB eMMCという容量の少なさや読み込み速度が問題で、購入したとしても大きめのゲームを購入してしまうと内部ストレージにインストールすることすら不可能だったりロード時間が長めになってしまう恐れもある。Micro SDカードを差し込んでストレージ容量も拡張することも可能ではあるが、もちろん読み込み速度に不安があり快適にゲームを遊ぶことができない恐れがあるので、実質256GB・512GBモデルのみが購入対象となるだろう。

それなりなスペックがあるといっても流石にPS5やXbox Series S/Xには及ばず、正直これに8万円以上も出すくらいならもう少しお金を貯めて15万以上のデスクトップPCを買った方が快適にPCゲームライフを送ることができるはずだ。

あくまでも既にPCを持っていてサブ機として持ちたいSteam・PCガジェットオタク向けのアイテムでPCゲーム初心者にはお勧めはしない。

私ですか?もちろん最上位モデルを予約しましたよ、ええ。