FM TOWNS マーティー 修理・メンテナンス

3万円のゲーム機を買いました。え?ということは、Nintendo SwitchXbox Series S?・・・と皆さんお思いでしょう?正解は・・・

 

 

そう、皆さんお馴染みのFM TOWNS MARTYだ!マーティーにチャンネルを合わせろ!

 

 

 

 

いや、なんだよそれ!知らねぇよ!と総ツッコミが入りそうなので簡単に説明すると、富士通が1993年に発売した家庭用ゲーム機だ。
当時富士通が開発に成功したPC画面をテレビ画面へと出力するダウンスキャンコンバータLSIを生かした商品が作れないかと、1989年に発売したパソコン「FM TOWNS」をベースにして設計して販売・・・そう特に明確な戦略があったわけではない、打倒!任天堂!だとかこれからはリビングを占領した媒体が世の中を制する!とかそんな理由ですらない、なにか部品作れたからとりあえずその部品使った別の商品を作ろう、というとんでもないフワッフワな理由でこの世に生み出されてしまった代物だ。どん判金ドブ。
見た目的にも用途的にもゲーム機だし購入者もほぼゲーム専用で買ったであろう機種だろうが、御堅い富士通としてはおもちゃである家庭用ゲーム機という製品を発売するのはプライドが許さん!ということなのか(あと後述の値段設定から)あくまでも「マルチメディア機」というやっぱりフワッフワなよくわからない製品カテゴリーで発売して、「あんぱんまん」や当時NHK教育でやっていた幼児向け英語版番組を題材にした教育ソフトを出して子供の知育にも使えます!と宣伝していたのだが、果たして子供の知育として買い与えた親御さんがどれほどいたことだろうか?
スペックとしては初代FM TOWNS相当で拡張性を削ったものといっていい。CPUには内部32bit外部16bitバスの386SX 16MHz、メモリは2MB、等速CDドライブ、フロッピードライブ1機でメモリやHDDの増設不可で、初代FM TOWNSはCPUに32bitバスの386DX 16MHzを使用していて速度が低下していそうだがメモリウェイトが3ウェイトもあり、逆にマーティーではメモリをノーウェイトで動作させていて386DX 3ウェイトと386SX ノーウェイトはほぼ同等の速度。FM TOWNSのグラフィック部分の性能についてはこのblogで過去書いた記事「FM TOWNSプログラミングにおける0.5ドットスクロール & アスペクト比変更テクニック」でゲームに関わるところはわかるはずだ。メモリ2MBはセガサターンPlayStation3DOと同等だが実際はTownsOS(MS-DOS・TBIOS・RUN386)が常駐するので使用できる容量はそれより低い、初代TOWNSがスプライト227枚/1フレームだったのに対し、マーティーは239枚/1フレーム(自作スプライトベンチマークで計測)とわずかに強化されているものの、結論を言うとFM TOWNSのグラフィック性能は古典的なアクションゲームや横スクロールシューティングゲームに向いていない、なのになんでそれベースのゲーム機を作っちゃう!
時折、世界初の32bitゲーム機みたいな紹介をしているところもありますけど、外部16bit CPUなんだから16bitゲーム機だと思うんですよね。これが32bitゲーム機ならメガドライブの68000もレジスタ部分が32bitだから32bitゲーム機にならないとおかしい。
音源はFM音源6chのYM2612(マーティーに搭載されているのはCMOS版のYM3438)と64KB波形メモリを備えたPCM音源8chのRF5C68A(こちらも別型番の同等チップ)、それにCD-DAによる直接再生。メガドライブ+メガCDからPSG音源部分を除いたものといっていい。音源チップの性能とは別に、アナログ回路の設計が悪いのかテレビ出力となるRCA端子からのステレオ音声はあまり音質がよろしくない(本体前面にあるヘッドホンのミニジャック出力はまだマシ)。
そして価格は定価98,000円(税抜)
え!?と思われるかもしれませんが、間違えていません、定価約10万円です。いくら拡張性削ったり廉価版のCPU使ったところでベースは高製造コストのパソコン、当時からゲーム機では当たり前の俗に言う「逆ザヤ」をするにも限度があったんでしょうね。その後、本体色を灰色にした廉価版も登場したがそれでも約6.6万円です。※追記:oh! FM TOWNS 1996年2月号(最終巻)によるとこの10万円という価格設定でも赤字覚悟だったようだ。
価格帯的にはもうパソコンなんだけど、メモリやHDD増設不可・プリンタも接続不可・テレビ画面出力で高解像度表示が見づらいというのが災いしてパソコン的な使い方をするのは諦めざるほかない。えぇ・・・
サターンやPSはもちろんのこと、パッとしなかった3DO、それどころかアーケードライクなゲームだと色数が多い以外はスーパーファミコンメガドライブにすら劣りそうな性能です。にも関わらずそれらよりも2倍以上の価格差。
せめてCPU 486SX 33MHz、メモリ4MB、倍速CDドライブ、スプライト表示性能 280枚/1フレーム程度とFM TOWNS II MA並みの性能を持っていたら3DOくらいまでなら対抗できそうではあるが、そこまで性能向上すると更にコストアップで15~20万円になってしまうし本家TOWNSを買わせた方がいい、そこまでしても4~5万円のサターン・PSに勝てないという本末転倒な話になってしまう。
ここまでの説明でも産業廃棄物レベルの商品でしかないな(こんなもん初めて聞いたし)、とわかるだろうがもちろん売れなかった。総販売台数4.5万台。世界一売れなかったゲーム機ピピンアットマーク(これまたパソコンベース)についでの低さ。中途半端に二位なのと日本市場限定ということでゲーム機ワースト売り上げランキングでも(不名誉な紹介の仕方ではあるが)取り上げられることもなく更に知名度を低くしている。

 

肝心のソフトにしても、一応はマーティー発売時に既に出ていたFM TOWNS用の300~400以上もの豊富なパソコンソフトが使えるというのを売りにできそう(できない)なのだが、FM TOWNSなんてキラータイトルとなるようなゲームに恵まれていたパソコンでもないし「一応FM TOWNSシリーズの実機にも関わらずTOWNSソフトの互換性・対応ソフト数はエミュレータよりも低い」とかいう意味不明な機種なのだ。
386 CPU・メモリ2MB・フロッピードライブ1機・HDD増設不可という仕様で、TOWNS末期に発売された486 CPU・メモリ4~8MB・HDD必須タイトル(スーパーストリートファイター2サムライスピリッツシムシティ 2000・ウイングコマンダー2・テーマパーク等)は全く動いてくれない。
CPUの386SXが24bitメモリアドレスだったせいかオリジナルFM TOWNSに搭載された完全32bitの386DXとはメモリマップに差異があり、一応マーティーのROM内に内蔵しているDOSエクステンダがセグメント設定をしてこのメモリマップの差異を解消するはずだが、ご丁寧にアプリ側で直接設定をしたりしていたらもちろん正常に起動しない。
動くタイトルにしても元々解像度640*480だったRGB出力のPC画面を解像度320~640*224程度の当時のアナログテレビ画面に出力する、技術的にも枯れていない最初期のダウンスキャンコンバートでぼやけて眠たい画質。流石にメガドライブよりはマシだけど、PCエンジンスーファミ・サターン・PSの方が元からソフトがローレゾのコンポジット出力を前提に作成されているということもあって綺麗に見える。おそらくマーティーを購入したユーザーの中で家庭用ゲームでは遊べないからという理由で買ったエロゲーにしても、高解像度での画面表示が普通だったので細かい文字が潰れて読みにくい状態になっていたであろう。
画面の解像度が低いという問題以外にも画面表示そのものが変なタイトル(チェイスH.Q.など)すら存在する。

FM TOWNSマーティーで「チェイスH.Q.」を動かした例。画面表示がズレて途切れて映ったり(オプションで画面表示モードを切り替えれば一応直る)、空や道路奥に色化けしたラインが出る。

 

FM TOWNSエミュレータ津軽」でのチェイスH.Q.動作例。もちろん、こちらの方が本来のFM TOWNSに近い画面表示。エミュレータのほうが再現性高いとはどういうこと・・・

 

 

マーティーでの動作検証が行われたタイトルに関してはマーティー対応という表記が与えられるのだが、マーティーでの動作が保証できないということでそれに絞ってタイトルを選んでいったら売りになりそう(ならない)だったTOWNSのソフト資源がそのまま使えるという利点が無くなる。
どうしても今からタウンズソフトで遊びたいタイトルがあるならマーティーを買わないで、互換BIOSも出ていて実機がなくとも無料で利用できるエミュレータを利用したほうが断然快適・コストも掛からない・そもそも動かないといったトラブルも少なく遊ぶことができます。
タウンズヘビーユーザーだった自分が言うんだから間違いない。

でも何故かこの機種、海外の人にはTOWNSシリーズ機の中でも人気が高いんですよね。
そのせいで微妙なプレミア価格がついていて、今回購入したマーティーにしても動作保証なしで冒頭にも書いた3万円もしました。最新ゲーム機のXbox Series Sが買えます。そちらのほうが遊べるゲームも多いです。
ちゃんと動作保証されているとかメンテナンス済みだったりしたら5~7万円でも不思議じゃないです。
海外のFM TOWNS解説動画を見ていて、『「津軽」(エミュレータ)は高スペックPCじゃないと満足に動かない』という説明がされてて「え!?」と驚きましたよ。
5~7万円もあったらそのPCが買えるのに。海外の人が考えることはよくわかりません。

 

色々とボロクソに言ってしまい、もしかしたらいるかもしれないマーティー信者の人に不快な思いをさせたかもしれないが、FM TOWNS 2F・FM TOWNS II MXユーザーだった自分には思い入れがある機種ではなく、TOWNSの歴史的なソフトで思いつくのが後期に出てきたマシンパワーが必要な商用・フリーゲームだったり3DCG作成ソフトのEASTRAYだったりが浮かんでそれらはマーティーじゃ動かなかったりする、動くタイトルにしてもRGB出力のクッキリとした映像がTOWNSの画質だった記憶しかないんでボヤけた映像の時点で偽物という認識しかできず、思い出補正とか抜きで純粋にこの機種に関する評価を行おうとするなら上記のような文になってしまうんですね。こんなマシンだからこそ「マーティーの法則」(売れる可能性のない物は売れない)と揶揄されたりするんですよ。

 

じゃあなんでそんなもんお前は買ったんだ、とまたツッコまれそうですがオークション見ていてつい魔が差してしまったのと、エミュレータではFM TOWNS用に開発したデモソフトが動いていますが実機検証を行っておらず、エミュレータと実機TOWNSで出るであろう挙動差異についてはマーティーでも検証可能だと推測、ついでにマーティーという機種そのものの動作確認、あとは遊ぶことそのものじゃなくてメンテナンスすること自体が目的なんですね。デスクトップTOWNSだと逆にメンテナンスしづらくてそれ自体を目的にするのは逆にかなり苦痛なんで。
FM TOWNSシリーズ機の中でもまだメンテナンス性はマシな方ではあるんですが、なんだかんだでそこそこメンテナンス難易度は高いと思います。最低限、メガCDの修理はできないとおそらく無理。サービスマニュアルが流出しているメガCDなら断線した故障もなんとかなりますけど、マーティーはそういったものがないんで自分でパターンを追って断線箇所を見つけるなりしないといけませんし、シールド板があるぶん分解手順も手間が入ります。コンデンサの数そのものは少ないんですけど、ランドが狭いんでコンデンサを取り外す際に剝がれやすいのも苦労する。

 

ということで詳細な分解方法の解説をどうぞ。ネジの数が多く、場所によっては長さが違ったりするので無くしたり間違った場所に取り付けないよう注意して、取り外したネジは長さ毎に別々の入れ物に入れとくなりして管理しときましょう。

コンデンサのリストはこのサイトに載っているので参考にするとよい。

本体をひっくり返し、上画像の赤く丸で囲んだ裏側のネジ5か所を取り外す。

 

上ケースをCDドライブ側から斜めに持ち上げていけば簡単に取り外せる。ケースが外れて、電源ユニット、CDドライブ、フロッピードライブが見えたら、とりあえず電源ユニットを取り外そう。上画像の赤く丸で囲った4か所のネジ、蒼い丸にある結束バンドを切って電源ケーブルマザーボードから引き抜けば取り外せる。

他のサイトでもCDが認識しない、画面が乱れるということで電源ユニットのコンデンサを交換したら直ったという報告が上がっているが、自分が入手したマーティー個体も電源ユニットの180uf 200Vを除いた全コンデンサが液漏れを起こしていた。マーティーには2種類の電源ユニットが存在するようだが、おそらくEasternと呼ばれる型で日本ケミコン製のコンデンサを使用している電源ユニットだったらまず間違いなくメンテナンスが必須になるはずだ。

交換する際の注意点として、液漏れが激しいので腐食を避けるためにもコンデンサを取り外したら基板の裏表両方をアルコールでよく洗浄する、直径が8mmのものでないとサイズが合わないので太いものを購入しないように気を付けよう。120ufがなかったので代わりにルビコンZLH 100uf 35Vを使用、容量の少ない1ufと4.7ufに関しては電解コンデンサではなくセラミックコンデンサで代用したが特に問題なく動いている。

 

電源ユニットのメンテナンスが終わったらお次はフロッピーディスクドライブ。

こちらもディスクを回転させる軸の駆動にゴムベルトを使用していることが原因で、劣化によってベルトが切れてフロッピーが読み込めなくなる故障が必ずと言っていいほど発生する。

フロッピードライブのマーティー本体手前側にある2か所のネジを取り外し、フラットケーブルをドライブから抜いてネジ側から斜めに持ち上げるようにすれば本体から取り外せるはずだ。

案の定切れていたゴムベルト。新しいゴムベルトを取り付けるには、上画像の赤く囲った6か所のネジを外し、軸側の回転を検知するセンサー(?)がある基板側をしならせてセンサーを軸から外す。しならせ過ぎて基板を痛めさせてしまったり、センサーを壊さないように注意しよう。

古いゴムベルトを除去する際は、軸受け二か所の溝にもへばりついたままとなっているので、先端のとがったピンセントなどでよく除去しアルコールで拭いてから新しいゴムベルトを取り付けるようにしよう。MSX用として売られているものが交換品で使えるようで自分は「Panasonic DFWV75C0009互換品」という商品名のものを購入した。

新しいゴムベルトを取り付けた例。また、ケーブルコネクタ・モーターがある側面の220ufコンデンサが液漏れを起こしていたので(液漏れしてなくともだが)これも交換済み。

今度はCDドライブ。アース線のネジ(電源ケーブル近く)とフェライトコア付き(ネジ止めされているのでもちろん外す)の黄色いケーブルを引っこ抜き、CDドライブそのものはネジ止めされておらず振動防止のゴム穴に差し込まれているだけなのでそのまま持ち上げれば取り外せる。

このままだとピックアップユニット下側にあるコンデンサやレールのグリスアップが行えないのでピックアップユニットを取り外す。

フラットケーブルのラッチを外し、

上画像の黄色で囲った4か所の半田を綺麗に吸い取って赤く囲ったネジ3か所を取り外す。まだフラットケーブルを外しているわけではなく落ちた勢いでレンズが破損するのも避けるため慎重にピックアップユニットを持ち上げて動かし、フラットケーブルが引き抜きやすいところまでずらしたらフラットケーブルを外す。

CDドライブ基板。ここのコンデンサも高さ制限があり、C4の100uf、C14・C15の47ufは高さ5mmでないと収まらない可能性がある。100ufに関してはルビコンMH5があったが47ufに関してはなかったので高さ11mmのものを基板外側に向かって倒して収めた。

交換中に違和感を感じて念のため黒いカバーを外したらまだ4個コンデンサがあるのを発見。しかもC19の22ufが液漏れ起こしていそうだったので気づいてよかった。このカバー、接着剤でしっかり固定されてしまっているので取り外す際は基板を傷めないよう注意。プラスチック製のヘラを差し込んでで少しずつ剝がしていこう。

電源ユニットと同じように容量の少ない1uf・4.7uf部に関してはセラミックコンデンサを使用しているが特に問題はない。

CDピックアップユニットのレールもグリスがかなり硬化していたようなので、古いグリスを清掃後タミヤセラミックグリスを散布し直しておいた。

コンデンサの交換とグリスアップが終わったらピックアップユニットのフラットケーブルを差し込み直して(どこまで差し込むかはラッチを外した際の画像を参考に)ラッチで固定、基板にユニットを差し込んでネジ止めと半田の盛り直しを行えば完了。

 

最後はマザーボード。シールド板で隠れているのでそれを取り外していこう。

まずはビデオ端子がある本体裏側の黒い3つのネジを外す。

赤で囲った長いネジ8か所、蒼で囲ったネジ10~11か所を外していきシールド板を持ち上げる。

マザーボードが見えたら上画像で赤く囲った4か所のネジを外し、ビデオ端子やミニジャックで引っかかるがうまく逸らすように斜めに持ち上げて本体ケース下側とマザーボード・シールド板下側を分離させる。

 

最後にパッド・マウスポート側4か所とキーボード側2か所の細長いネジを外せばマザーボードとシールド板下側の分離も完了。

 

取り外したマザーボード。YM3438電源ライン用のC22 470ufコンデンサが液漏れしていることを確認。ここも液漏れ報告が多い箇所なので音声が聞こえなかったりノイズが多い場合は確認したほうがいい。また、液漏れの影響なのかM14 LSI(これがダウンスキャンコンバートLSI?)のピンが若干緑っぽく変色していた。

コンデンサ・日付時計用の時計ボタン電池をソケット化(CR2430)・M14 LSIのリフローで変色を除去。

容量の少ないC8とC32はセラミックコンデンサを使用、C15・C16・C17・C18・C26・C27・C170・C171はオーディオ用のカップリングコンデンサと思われるので手ごろなサイズがこれしかなかったというのもあって音響用を使用。

CDドライブ部分と同じく、C30・C31・C170・C171を除いてシールド板がある関係上コンデンサの高さが11mmだと倒さないと収まらないのでそれ以下のサイズの物を用意する、C26・C27もやや手前側に倒しておかないと入らない可能性があることに注意しよう。

コンデンサ取り付け後はシールド板を載せてみて確認。かなりギリギリとなっていた。

一通りメンテナンスが完了したら再び組み立て直して完成。

本体ケースやパッドも3日ほどワイドハイター漬け(金属を腐食させる可能性があるのでボタンや開封部分バネは分解して取っておくこと)しておいた。最初の写真と比べてもやや黄ばみは減ったかな。

 

 

それではフルメンテナンスの結果どうなったかというと・・・

 

無事動作

電源の投入、日付時刻の保持、78分の音楽CDの再生、オマケでついてきた「キッドピクスJr.」のCDを起動、フロッピーに書き込んだフリーゲームの「VSGP」と「パニックボール2」の起動、自作のスプライトベンチマークデモが動くことを確認。コンポジット・S端子出力、ステレオ音声出力も問題ない。

 

動画にも収めてみた。

マーティーのブート画面からフロッピーディスクを挿入すると、自動的にフロッピーに書き込まれた「VSGP」やスプライトベンチマークが立ち上がってくれる。

 

豆知識として起動時にCD・フロッピーを両方入れているとCDからのブートが優先されるが、パッドのBボタンを押しっぱなしで起動すればフロッピーからの起動優先順位となる。わざわざCD蓋を開け閉めする(その逆も)のが面倒なマーティーユーザーは覚えておいて損はない。

Steamサマーセールが開催、地獄のミニゲームも開催

PCゲーム配信サイトSteamにてこの時期恒例の大規模セール「Steam サマーセール」が日本時間7月8日午前2時まで開催中。

いつものように数が多すぎるので紹介はあまりしないが、無人となった渋谷を舞台に悪霊退治を行うオープンワールドFPS「Ghostwire: Tokyo」が50%オフ(最安値)、アイドルマスター各4タイトルのアイドルたちをプロデュースしていく育成ゲーム「アイドルマスタースターリットシーズン」が40%オフ(最安値)、とあるミームがネット上で話題となりSteamのJRPG売り上げランキングでも一時1位まで浮上した「FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster」が50%オフ、1930年代アメリカを舞台にマフィアの抗争に巻き込まれ自身もマフィアの世界に踏み入れる名作クライムアクションのリメイク「Mafia: Definitive Edition」60%オフ(最安値)、8月25日に日本語コンソール版発売と同じくSteam版も日本語対応がアナウンスされたテーブルトークのようなシステムが特徴のRPG「Disco Elysium - The Final Cut」が65%オフ(最安値)など。

 

また、セールと同時にミニゲームに開催されており、未来からやってきたというタイムトラベラーが用意した(という設定の)ゲームをSteamストア上から見つける毎に25XPもらえるSteamバッジとSteamプロフィールで使えるアバター、全10個のゲームを見つけるとかなりサイケなスペシャルプロフィールがもらえるというイベントなのだが、正直言って最悪なくらい糞。

ヒントを元にページの上部にあるゲームジャンルカテゴリを切り替えて表示された特徴どれかもしくは売上ランキングから割引率は50%、元値はCl.0R、セール価格はTH.4Xとなっている架空のゲームを探せばいいのだけど、ヒントそのものがかなり曖昧でどのジャンルのことを指しているのか相当分かりにくく、本当にSteamで配信されているようなそれっぽいタイトルとバナー画像をつけられているんでよく見ていかないと気付かずに流してしまう。

「受動的冒険」というから読み進めていくだけのノベルゲーム?と思いきやパズル。冒険をつけるジャンルとは思えないんですけど。

何が「たぶん大丈夫」だ!10秒くらい見ても「この中にはなかったな、次にい・・・あれ?」となって全然大丈夫じゃなかたったぞ!

またバグなのか仕様なのか定かではないのだが、他の人が答えとして報告しているジャンル・ゲームの特徴が自分が偽ゲームを表示した場合と一致しないことが多々あり。

8問目のゲーム「エスメの聖別」は特徴「笑える/おふざけ」となっているはずなのだが、自分のページでは「4プレイヤー」のところでいきなり表示された。他のゲームでも同じ現象が起きたり、ページを何度かリロードして表示されたといったことも発生。

どうしても金かけずにSteamレベルを上げたい、取り逃すと二度と入手不可能となるバッジを手に入れておきたいという重度のSteam信者以外はやるべきではない。もちろん俺は嫌々ながらも貴重な時間を費やしてクリアしました。

Steam版「ファイナルファンタジー7 リメイク インターグレード」配信開始。時限独占されていたEpic Games ストア版と違いカクツキ問題も改善済み?

初代PlayStationで1997年に発売された「ファイナルファンタジー7」を現行機でフルリメイクした三部作の一作目「ファイナルファンタジー7 リメイク」が2022年6月17日よりPCゲーム配信サイトSteamにて発売が開始された。

PS4版が2020年に発売されてセールで特価となっていたり1年足らずでPS Plus会員向けに無料配信されたり、ようやく発売されたPC版にしてもEpic Games ストア時限独占をでSteam版は半年ほどの遅れといろいろとアレな販売戦略をしてきたが、今回のSteam版ももう2年も前のゲームというのにフルプライスの9,878円、発売から1週間は29%オフとなっているがそれでも7,013円という殿様商売振り。おま値かと思いきや海外価格も$69.99でここ最近の円安レート($1=134円)だと金額差が少ない状況。

外部キー販売サイトのGreen Man GamingでXPランクがゴールドなら$39.95だが、やはりこちらも円安考えると極端に安いとはいいがたい。

 

EGS版配信直後にSteam版と思わせるファイル構成が見つかった、という記事を書いた時の推測通り、今回のSteam版はEGS版であったスタッター(カクツキ)現象は修正済みの可能性が高い。自分のCore i5 12600、GeForce RTX 3060 Ti環境で4K最高設定にしたところ基本60fpsでスタッターなし、一部シーンやイベントで50~40fpsといったところ。PS5版でも4K解像度か60fpsかどちらか一方を選択する形式だったので最適化面では問題はなさそう。

 

ただ、相変わらずPC特有となるようなグラフィック設定などはなく、解像度・テクスチャ・影・最大フレームレート(上限120fps)・同時に表示するキャラクター数くらいしか設定項目が用意されていない。

 

スタッター現象が直っているおかげかSteanレビューについては現時点で「非常に好評」とはなっているが、ちらほら価格設定やグラフィック設定に関してはもちろん不評を入れたユーザーの意見で多い点。ここまで待たせたんだからもうちょっと(どころじゃない)どうにかならなかったのかという思いが強い。

N64「ゴールデンアイ 007」をオマージュしたFPS「Agent 64: Spies Never Die」体験版プレイ

今後Steamで配信予定となっている多数のタイトルの体験版を取り上げる企画「Steam Next フェス」にて公開されているタイトルの一つ「Agent 64: Spies Never Die」体験版をプレイしてみました。

あのタイトルを連想させるようなゲームタイトルやロゴ、上のプレイ動画からもわかるとおりNINTENDO 64で発売されたFPSゴールデンアイ 007」や「パーフェクトダーク」をオマージュしたFPSゲームなんですね。

ボヤけたテクスチャにシェーディングやスペキュラーで光を表現したグラフィック画面下に下ろすだけで即リロードされる銃通常は大雑把なオートエイムだが照準を出すことによって精密射撃への切り替えヒントもないミッション項目を遂行していくゲーム進行チョップによる近接攻撃トイレ個室の上にある換気ダクトから侵入するシーン壊すと何故か爆発する書類棚やPC画面、などなど初めてプレイしたはずのゲームなのに「俺はこのゲームを25年前にプレイしたことがあるぞ!」と叫んでしまいそうになるくらい近視感。

単に話題集め目的で名作をオマージュしました~といった作りでもなく、被弾した敵の反応から射撃感も良好で、敵の隙をついて攻撃し反撃されたらすぐ物陰に隠れて回避するヒット&アウェイというFPSとしての銃撃戦の面白さもオマージュ抜きにしても高い完成度。

体験版では日本語に対応している部分がミッション項目のみ、発売予定が2022年内でまだ明確には決まっていないようだが、発売が待ち遠しい個人的な期待作。

PS4/PS5独占タイトルだった「Marvel's Spider-Man」がSteam(PC)に登場。発売予定日は8月12日

2018年にPS4専用タイトルとして発売されその後PS5にも移植されたオープンワールドアクション「Marvel's Spider-Man」のSteamストアページが開設されている。

発売予定日は8月12日、日本語音声・日本語字幕ともに対応。現時点(6月14日)で価格掲示や予約などは開始されていないが、過去のPlayStationブランド独占タイトルがSteam移植された際の価格設定から考えて、既に廉価版が発売されているPS4版に比べて高めの価格設定になるかと思われる。

「Marvel's Spider-Man」はアメリカンコミック「スパイダーマン」を原作としたオープンワールドアクションゲームで、ニューヨークを舞台にスパイダーマンである主人公ピーター・パーカーとなり、街を自由に行き来しながらゲームオリジナルのストーリーを進行していく。

ウェブ・スイングで振り子のように摩天楼の間を飛び回る移動の気持ちよさ、ボタン連打による手軽なコンボ攻撃のみならずガジェットを使い敵を翻弄させたりとバリエーション豊かな格闘シーン、リアルなニューヨークの街並み、更にその街中に隠された細かい小ネタの数々、と高い完成度を誇るタイトルがPCでも遊べるようになったのはうれしい限り。

 

Remasteredのタイトルがついていることから、おそらくピーターの顔が変更・レイトレーシングなどのグラフィック強化が行われたPS5版をベースにしていると思われ、本編後日談のDLC「摩天楼は眠らない」も収録済みであることがストアページの説明文からわかる。

Steamで「ARK: Survival Evolved」が6月20日まで無料配布中。一度もらえば半永久的に遊べる

オープンワールド恐竜サバイバルアクションゲーム「ARK: Survival Evolved」がSteamにおいて6月20日午前2時までの期間限定で無料配布されている。一度Steamアカウントに登録すればもちろん何度でも再ダウンロード&プレイ可能となる。

おそらくXbox & Bethesda Games Showcaseで発表された続編「ARK 2」発売決定記念での宣伝目的による配布と思われるが、興味があったものの買うまでには至っていなかった人はこの機会を逃さずすぐ入手しておこう。この手の中途半端に配布期間が長いものは後で登録しておこうとその時にやろうとせず、そのまま忘れて配布が終了してから思い出すのがよくあること。

ARK 2のSteamストアページも開設されていた

Steam版「Deadly Premonition 2」が配信開始、日本語対応

2010年に発売されたアドベンチャー「レッドシーズプロファイル」の続編でありストーリー的には前日譚にもなっている「Deadly Premonition 2」が2022年6月12日より突如Steamで配信が開始された。価格は定価4,180円、配信1週間の間はセール価格で30%オフの2,870円となっている。

ゲームは2019年の現在パートと2005年の過去パートの二つの時系列に分かれて進行し、現在パートでは元FBI捜査官フランシス・ヨーク・モーガンへの取り調べが行われ、過去パートではヨークを操作しアメリカの南部の田舎町ル・カレで発生した連続殺人事件の調査を町中を自由に移動することが可能なオープンワールドで行っていくという流れとなっている。

6月12日現在、ストアページの対応言語一覧には英語しかチェックが入っていないが、実際には日本語にも対応している。

6月13日にストアページが更新され、日本語字幕対応表記が現れた。

開発者のSWERY氏によると設定ミスとのことなので後ほど修正されるはず。

 

元はNintendo Switch独占タイトルだったもので、Switch版では20fps程度という低いパフォーマンスや長いロード時間といった問題を抱えていたが、もちろんPC版ではフレームレートは60fps以上出すことが可能でロード時間も数秒で終わる。

ただし、グラフィック設定などが用意されておらず画質もPS3/Xbox 360世代のゲーム基準だとしても下の方、操作形態にしてもマウス&キーボードに対応しておらずコントローラサポートのみとなっていて、完全にベタ移植。