PCエンジン DUO-RXがDUO-Rよりも読み込み性能が向上しているとかいう都市伝説

ハドソンとNEC-HEの共同開発で1987年に発売された家庭用ゲーム機「PCエンジン」。コア構想という様々な周辺機器を繋いでいく設計思想だったが、最終的にCD-ROMドライブ(+α)のみの構成に落ち着いていき、PCエンジン本体とCD-ROMドライブを合体したPCエンジンDUO、その廉価版のPCエンジンDUO-R、更に当時の格ゲーブームを反映してそこに6ボタンパッドを付属したPCエンジンDUO-RXと発売されてシリーズは終焉を迎えた。

巷の噂ではPCエンジンDUO-RXは読み込み速度が向上しているという話が都市伝説になってたりするが、率直に結論を言ってしまうとPCエンジンDUO-RとDUO-RXに読み込み速度に差異は一切ない。何故そう言い切れるかというと、分解して中身を確認してもDUO-RXがDUO-Rから変更された部分はガラスヒューズの撤廃、22ufコンデンサを4つ配置していた二か所がそれぞれ100ufコンデンサ1つに置き換わっているくらいで部品削減による製造コスト削減しかしていない肝心のCD-ROMドライブとか全く一緒のものを搭載している。更に言うとDUO-Rの方もリビジョンによってはDUO-RX相当の部品削減を行っている基板が存在するようだ。

実際のDUO-RとDUO-RXを分解したときのそれぞれの写真(全コンデンサを新品に交換、DUO-Rの方はCDドライブを外して撮影しているが)。

PCエンジンDUO-R

 

PCエンジンDUO-RX

 

しかしなんでこんなデマが出てるんだ?

6ボタンが付いただけといってるが新しい機種なんだからなにかしら性能アップしているはずなんだっていう当時のPCエンジンっ子がプラシーボ効果を得ていたか、経年劣化の影響でDUO-RXの方が製造日新しい分読み取りエラーが発生する可能性が少ないのでそれを読み込み速度が向上していると言っているのか。

おそらく後者だろうが、既にDUO-RもDUO-RXも30年以上経過している今では誤差レベルの経年劣化の進行で読み取りエラーの事だとしても差異は無くなっており、どちらにせよメンテナンスは必須だろう。