「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド リメイク」がSteamで配信開始。日本語対応ながら表現規制なし

1997年にセガより発売されたアーケード用ガンシューティングゲームザ・ハウス・オブ・ザ・デッド」のリメイク版「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド リメイク」がPCゲーム配信サイトSteamにおいても配信が開始された。価格は定価2,599円、発売から一週間の間となる5月6日までは10%オフの2,339円となっている。なお、このリメイク版に関してはセガはIPを貸し出したという立場なだけで、開発元はMegaPixel Studio、発売はForever Entertainmentという全く無関係の会社が行っている。

先に発売されたNintendo Switch版は日本のレーティングの問題で、ゾンビの欠損や研究員への誤射がカットされており、見た目では部位が残っているのに攻撃判定が無かったり誤射によるペナルティがないなどゲーム性にまで影響を及ぼす改悪が行われていたが、このSteam版は日本から購入可能で日本語字幕に対応し更に表現規制もされていないという状態でリリースとなった。

もちろん高スペックなPCならではの要素として4K解像度にも対応する高画質な映像美が楽しめ、Switch版では不安定だったフレームレートも向上。Switch版のみならず同時に発売されたPS4/PS5/Xbox版と比べても単純に解像度が上がっただけじゃなくライティング/影/テクスチャの描画が高品質化したような印象を受ける。

ただ、ゲームそのものは率直に言ってかなりイマイチな内容としか言いようがない。

ガンシューティングをマウス操作で行ったところでそんなに面白いものじゃないというのは当たり前かもしれないが、ガンコンでは画面外を撃たないといけないリロード動作がボタン一つで一瞬にして行える(右クリックかRキー)ので射撃にあたる左クリックとリロードのRキーをひたすら連打しているだけで、ハンドガンがマシンガンと化す連射が行える状態。リメイク版追加要素としてハンドガン以外の武器もステージ上に隠されていて、入手すると周回で自由に切り替えて使えるという要素もあるのだが、これらの武器もハンドガンよりも威力が高いにもかかわらずこれといった制限なし&上記のリロード連射が可能となっているので研究員への誤射を除けばほぼ無双状態で進んでいく。連射せず単発撃ちする縛りプレイすればいいだろ、と思うかもしれないがHOTDはゾンビの頭を吹き飛ばしてもまだ生きている状態があるので、一発一発ヘッドショットのみ決めていくというプレイもできず。何か画面外撃ちリロードに変わるような若干手間のかかるリロードシステムでも採用できていたら違ったかもしれない。

 

マウスエイムに関してはどうもスティック操作のような感性がかかっているような印象を受け、感度を2.5倍ほどにしたがそれでもしっくりこない照準の動き方。正確なエイムができても既にガンコンでは不可能な連射が行えているので更に簡単になってしまうという弊害はあるだろうが、狙った通りに動かないというのはやはり操作していて楽しいという気分にはなれない。

 

画面のブルームが強すぎて白飛び気味なところや逆に影で暗すぎたりと背景とオブジェクトが同化しやすくゾンビと研究員の区別もつきにくかったり、ヒット判定もかなり曖昧で一瞬画面にゾンビが出たと思ったらいきなりHPが減っていたという納得のいかないゲーム展開が多い。

 

射撃音も迫力に欠ける音なのもあって爽快感がなく、不具合なのかリロードの効果音が鳴るとBGMが聞こえなくなる問題あり。

 

もう一つ、リメイク版追加要素の「ホードモード」。クラシックモードと違い、一度に大量のゾンビが襲い掛かってくるThe House of the Dead 4チックなモードとなるが、何故か自動で視点が定まるゾンビがこれからプレイヤーに攻撃を加えるゾンビでは無く結構な頻度で明後日の方向にいるゾンビに向かっていく。つまり、攻撃を繰り出してくるゾンビは画面外なので見えないところからダメージを食らうという理不尽極まりないモードである。画面外にいる敵の攻撃を防ぐ手立てが爆風で周辺に大ダメージを与えるグレネードランチャーを使い爆風で倒す以外に存在しない。普通に遊ぼうとしてもグレネードランチャー以外を使うとどうやってもノーダメージが無理なので、一気にゾンビをグレランで吹き飛ばしていくだけの大味なゲームプレイとなるし、グレネードランチャーを入手していない状態の初プレイではノーコンテニュークリアは難しい。