Gears of War: Ultimate Editon for Windows 10

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初代「Gears of War」のPC版追加シナリオを収録し、高解像度化を施したリメイク版。Steamではリリースされておらず、Xbox One / Windows 10(Microsoftストア)専用タイトル。ただしXbox Play Anywhereが発表される前のタイトルで、Xbox One版とWindows 10版で購入ライセンスが完全に別々になっていてクロスプレイ不可、実績やセーブの共有も行えない。また、日本リージョンのMicrosoftストアでは発売されていないおま国タイトルとなっている。

ブラックフライデーセール時に北米Microsoftストアを見ていたら、WIndows 10版が定価29.99ドルのところ66%オフの9.99ドルとなっていたので、Windows 10のストア地域設定を「北米」に切り替えて別のサイトから購入したMicrosoftストア用ドルギフトカードをアカウントに入金して購入。

CEROのレーティング審査が通らなかったのが原因(ハッキリ言えば修正する手間をかけても売れないから)でおま国になったタイトルで、同じようにレーティング審査が原因で日本での発売が遅れたものの無規制のまま日本で発売されたGears of War 4は海外版にも日本語字幕が収録されていたものの、このGoW:UEには音声どころか日本語字幕すら収録されていない。

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ボタン一つで壁際に隠れて射撃が行えるカバーアクションや、リロード中にタイミングよくボタンを押すことでリロードの短縮と武器強化が行えるアクティブリロードといった、その後のTPSゲームのシステムにも多大な影響を及ぼした作品で、発売された当時は珍しかったバンプマップを多用して正に次世代機を感じさせるグラフィックでUnreal 3 Engineのデモとしての側面でも優れた名作であったが、流石に今の水準で見てしまうと色々と厳しい。

ゲーム自体はPC版で追加されていたブルマック戦のシナリオを除いてオリジナル版からほとんど変わっておらず、登場する武器や敵も全く同じ。2・3とシリーズが続くごとに武器・敵のバリエーションが追加されていったGoWシリーズの中でも最低数で、どちらも10種類にも満たないというおそらく当時から見ても他タイトルと比べて少なく、このあたりで同じような戦闘が続き単調さが感じられるゲーム展開になってしまっている。プライマリ・セカンダリ(とハンドガン・グレネード)のどちらか2種類しか同時に持てないというシステムだが、殆どアサルトライフルとスナイパーライフルで切り抜けられる、というより他の武器に比べて使い勝手が良く弾も入手しやすいのでこの2丁のみで進んだ方が楽なシーンが多いのも単調さに拍車をかけている。ボイスを新規収録したり手間暇もかかるだろうが、PC版専用だったシナリオを移植するだけじゃなく、既存のシナリオにも変化や追加要素が欲しかったところ。

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グラフィックも強化されているとはいえ、そこまで印象に残らない、というよりオリジナルよりも退化してるようにさえ感じられる。

セピア調やモノトーン調の画面が何とも言えない哀愁感や退廃感を醸し出していたのに、そういった画面フィルタが一切なくなっていて味気ない画になっているし、バンプマッピングも抑え気味な使い方になっていて凹凸感も減少したよう。

高設定の4KテクスチャだとVRAM6GBも要求されるのに、絵画調のテクスチャデザインが原因なのか4Kテクスチャにしていてもボヤけたような解像度のテクスチャが目立つ。オリジナル版にはなかったSSAOも実装されているようだけど、やはりかかり方が薄いようでキャラクターが壁に近づいた際の影が無いように感じられ浮かんで見える。

アンチエイリアス設定もFXAAしか用意されておらず、今時のSMAAやTAAなどは使えないのでシャープさに欠けたりやジャギー感が残ってしまっているのも余計に画質が良く感じられない理由だろう。

 

Co-opマルチプレイにも対応しているが、もちろん全くマッチングしない。サーバーリージョンも切り替えられるが言うまでもなく無駄。クロスプレイ非対応、セールになっても誰も見向きもしないMicrosoftストア専売で、ストアレビューも後述の最適化問題で微妙、と売れる要因が何一つないのだから、自分がプレイした時間帯に同時にプレイしていた人間はおそらくいなかったであろう。実績コンプリート厨の人とかは絶対に買ってはいけない

 

Windows 10版の最適化も全くと言っていいほどうまくいっておらず、Core i5 4670K、メモリ16GB、GeForce GTX 1070で最高設定 1080pで常時70~120fpsは出るものの、バックグラウンドでディスクアクセスが発生するとフレームレートが低下していないのに酷いカクツキや秒単位の音割れが発生する。仮にも自社OS標準のストア専売、ファーストタイトル、自社の代表作という要素を兼ねているんだからまともに移植しろよ・・・。サードのタイトルが出来が悪いとかいうのならともかく、目玉商品になるはずのものがトラブル続きでしかも何年経っても同じような問題を何度も繰り返すから誰もMicrosoftストアでゲームは買わないし、どこもトラブルを避けてゲームを出そうとしないんだろ。