L.A. ノワール クリア 感想






Steam版をホリデーセール時に15ドルで購入して、日本語化
ストーリーはクリア(全☆5は取っていない)、路上犯罪クリア、ランドマークすべて発見、発見した車の数63台、フィルムとバッジは全く集めてない。
なんだろう、ここまで購入前は期待していたのに、実際プレイしてみたら物凄い落胆させられたゲームは今まで無かったかもしれん。なんだか、見てくれだけは次世代のゲームという感じなのに20年前のアドベンチャーゲームをプレイしているかのような錯覚であった。
やる事は最初から最後まで、事件現場を適当に調べて気になる物を発見したらボタンを押して物品を調べて証拠を押収し、証拠品が集まったら容疑者や目撃者に尋問してそれが終わったら他の現場に移動してまた証拠品集め・・・と、一つの事件にこれが延々と続く。ハッキリ言っちゃえば、コマンド式だった昔の推理ゲームとやっていることが全く同じである。途中、銃撃戦やカーチェイスや尾行といったものが挟むが、これが本当に大味すぎるぐらい大味でプレイしていて面白いもんじゃない。しかも、そんな面白いもんじゃないものが何度もシチュエーションも変わり映えもせずゲーム中に登場してくるんだから嫌になってくる。何度かこのシーンでゲームオーバーになると、強制的にスキップできるようになったりあまりゲーム中でも重視していない感じではあるし、あくまでもゲームが単調にならないようにおまけで入れたんだろうが、もうちょっとマンネリ感を打開させるために一風変わったロケーションや演出で盛り上げる事が出来なかったのか。
売りのはずのモーションスキャン(実際の俳優の顔の動きをそのまま再現する技術)による尋問シーンにしたって、初めてこのモーションスキャンを動画で見たときは、なんてリアルな顔の動きなんだろう、これは革命を起こす!と思ったけど、いざ実際にゲームをプレイしてみたらなんてことはない、結局無表情で答えていたら信用、目線を逸らしたり眉や口元が過剰に動いたら疑い、今まで集めた証拠品の中からそれっぽい物があるならそれを突きつけるだけと攻略パターンが決まっちゃっているので、プレイして序盤の段階で「確かに顔の表情はリアルだけど、やってることはやっぱりコマンド式のアドベンチャーゲームと変わらない」ということに気付いちゃってどうでもいいと思えてきた。
というか、何故にそんなに顔をそわそわし始める。いくら嘘ついたからっていって、そこまでオーバーなリアクション取る必要ないだろ。いや、オーバーなリアクション取ってくれないと嘘ついてるんだが分からなくて、それはそれで困るかもしれんが。
それにこの尋問シーンで不正解になったとしても最終評価が下がるだけでゲームオーバーにならず結局話は進んでくれるので、ちゃんと正解を出そうとするだけ無駄である。100%クリアの実績が気になる人なら別だが、ゲームをただ進めたい人にとってはもう適当にボタンを押していれば済んでしまう。間違えまくって事件の終わりに上司に怒られるかもしれないが、そんなもん気にしたら負けである。
ロサンゼルスを再現した広大なマップにしたって事件で回ることになるのはごく一部なだけだし、道は一直線上に綺麗に整地されているのが逆にあだとなって、ドライブしていても妙に殺風景な街並みに感じてしまう。他のオープンワールド系のゲームだと妙に建物がごちゃごちゃした地区があったりカーブの多い地帯があったりするものだが、このLAノワールではずーと建物が点々と立ち並ぶ一本の道を走っているかのようである。
ストーリーにしたってそうである。代わり映えのしない事件が続き、流れ的にも犯人が自爆したりして物凄いあっけなく捜査が終了したりするので、盛り上がる前に終わっちゃうし印象に残らない。リアリティーを求めるために実際に起きた事件を参考にしたのは分かるけど、それをそのままゲームに持ってきちゃうと物語としてパンチが弱すぎる。


なんだかこのゲーム自体が、(実は古臭いアドベンチャーゲームという)事実を必死に隠そうとしているするためにわざとらしい(最新技術で塗り固められた)嘘をついているゲーム中の登場人物のようである。