PCエンジン DUO-R 修理

借りてきたPCエンジンDUO-Rだが、コネクタが接触不良起こしており、コントローラが認識しなくなったり動作がおかしくなったり、またCDのシーク音が「ギー・・・ギー・・・」なるので修理をしてみました。

長年倉庫に眠っていただけあって汚いPCエンジン DUO-R

まず裏側のネジ5本をはずす。ただし、このネジは普通のプラスネジではなくファミコンスーファミと同じトルクスネジとなっているので、トルクスドライバーが必要

これがトルクスドライバーの先端。六角形になっている。
ホームセンターやオークションなどで結構売っているはずだけど、オークションでPSP分解用で売られているトルクスドライバーには注意。これは口径が小さいので回らない可能性あり。自分が使ったドライバーは「5400TX T10×80」というもの。

蓋を外せば、基板とピックアップユニット全体が見れる。CD蓋にはスイッチ用のケーブルがあるので、無理に蓋を持ち上げてケーブルやコネクタを痛めないように注意。

次にCDピックアップユニットのケーブルコネクタを外して、ピックアップユニットも本体から外す。
基板だけの状態になるので、今度はプラスネジ5本を取り外す。これで基板の裏側も見れる。

基板裏側



ちょっと搭載チップを見てみよう。表側、HuCard挿入口下に、HuC6280(CPU 6502互換)、HuC6270(ビデオチップ)、HuC6260(ビデオDAC)、VRAM(256Kbit 120ns SRAM ×2)

裏側、HuCard下側にワークメモリ(64Kbit 100ns SRAM)がぽつんと。

裏側、HuCard上側にADPCMチップ(MSM5205)、ソニーSRAM(CD-ROMバッファ用? 70ns? 1Mbit ×2)、バッテリバックアップ用SRAM(16kbit)


では実際に修理をしよう。

まずCDピックアップユニット。電源は入るしHuCardのゲームも動くが、CDのソフトが動かないというのは大体ここが原因。とりあえず、レンズクリーニングとグリスアップをしてみよう。

レンズクリーニングは分解しなくてもできる。レンズをクリーニング液をつけた綿棒でやさしく拭いてあげるだけ。CDレンズ用のクリーニング液が無い人は無水アルコールでやってもいいかも。ただし、これはかなり危険なクリーニングなので本当に読み込み不良で駄目もとでやってみる程度にしておこう。普段はエアダスターで軽く埃を吹き飛ばすくらいで良い。

次にグリスアップ。長年使ってないとグリスが硬化してきたり、ゴミが付着して動きが悪くなってくる。モーターギアとピックアップがスライドするレールの古いグリスやゴミを綿棒などで綺麗にしておく。

使うグリスは「タミヤ セラミックグリス」を使用。おもちゃ屋等で売っているはず。

ゴミ除去とグリスを塗り替えた後のギアの様子。
今までシークの度に「ギー・・・ギー・・・」となっていたのが「シー・・・シー・・・」という感じになった。レンズクリーニングと違って壊れる心配も少ないので、読み込み不良が発生していなくても定期的にやっておいて損は無い。


次にコネクタの接触不良の問題。これはPCエンジン系のマシンでよく報告される故障で、コントローラが動かなくなったり、電源は入るのに映像や音声が途切れるのはこれが原因。

AVケーブル側コネクタ

コントローラ側コネクタ
写真では分かりにくいけど、人目で分かるほどハンダが割れている。コネクタを動かすと完全に基板と浮いてしまう。


ハンダコテでそのまま熱して割れを修復してもいいが、念のため新しくハンダを盛りなおす。これで簡単には取れにくくなっただろう。



あと、電源そのものが入らない場合は、ガラス管ヒューズが切れている可能性あり。PCエンジンDUO-RではHuCarD挿入口横にあるので、テスターで絶縁状態なってないか確認してみる。




これで修理は完了。
抜き差ししても不具合が無くなったし、今まで6ボタンパッド刺しても全く認識しなかったが今度は使えるようになった。
画質綺麗、ロード激速、セーブ消えないと利点が大きいエミュレータがあるので今では実機でやるのは少々厳しいが、やはり修理しているのは楽しいや。