AI技術によって蘇った「ポートピア連続殺人事件」がSteamで無料配布開始。犯人は・・・

1983年の神戸を舞台に殺人事件を担当する刑事となり相棒のヤスと共に事件を解決へと導くアドベンチャーゲームポートピア連続殺人事件」をAI技術によって自然なコマンド操作法にしたリメイク「SQUARE ENIX AI Tech Preview: THE PORTOPIA SERIAL MURDER CASE」がSteamで配信が開始された。

表記名からもわかるとおり、あくまでも技術デモという位置づけでSteamでの登録もゲームではなくアプリ扱い、無料で試すことが可能となっている。

コマンド選択式だった有名なファミコン版とは違い、オリジナルにあたるPC版と同じようにテキスト入力でのコマンド操作となるが、事前に定義された単語を一文字も間違わず入力しないと処理できなかった旧来のテキストコマンドとは違い、AIによる自然言語処理によって曖昧な単語でも受け付けてくれるようになっている。

ただ、このデモでは登場人物の台詞がAIで作成されるわけではなく、プレイヤー側のテキストコマンドが「一文字も違わず入力しなくても認識してくれる」というだけで、ゲーム側で定義されていない指示をヤスに出すと「うーん・・・」や「え?」と答えになっていない返答をされてしまう。「凶器はなんだ?」「○○のアリバイは?」とヤスに聞いても「ちょっとよくわからないですね」と調べもせず返ってくる。ヤス、お前クビ。

認識しやすくなるよう右側に載っているリスト内の物や画面に映っている物体の名詞と「を調べろ」「を呼べ」「を見せろ」等といった動詞を組み合わせた簡単に文章を入力することを意識して進めることになるので、単に難易度が激減はしたものの、内容自体は選択肢の少ない40年前のゲームそのものでテクノロジーデモとしての実感が全く沸かない。一方通行の会話やテンプレート通りの入力では自然言語処理の意味がない。

皆が期待しているであろう、ゲーム開始直後に「犯人は○○」と言ってもヤスの反応は「ちょっとよくわからないですね」で終わってしまうのは変な感想だが失望しかない。