「クウォンタム コナンドラム 超次元量子学の問題とその解法」 クリア

Steamストアページ - Quantum Conundrum


物体の重さを軽くする「ふわふわ」、逆に重くする「おもおも」、時間の流れを遅くする「のろのろ」、重力を反転する「さかさま」、の4つの次元を切り替えながら進んでいくパズルゲーム
Portalの作者キム・スウィフト氏の最新作という事でPortalとゲーム構成が似ており、ステージクリア型のパズルマップ、GlaDOSと代わりとなる主人公の少年に世界観やヒントを言い続ける博士、コンパニオンキューブの代わりとなる謎の生物アイク、と正にPortalの後継のような作りである。
「ふわふわ」の次元は通常では持てないような金庫を移動させて足場にしたり、質量感知型スイッチの上に乗せた後に次元を戻してスイッチを反応させたりする。
「おもおも」の次元は本来なら軽い段ボールでも質量感知型スイッチに反応させることが可能になり、また通常の次元で段ボールをガラスに向かって投げ飛ばした後ぶつかる直前に「おもおも」に切り替えれば叩き割るといったことが可能。
「のろのろ」の次元はプレイヤー以外動きがゆっくりとなるので、本来なら高速に空中を舞っている物体に飛び移っていったり、移動しているレーザーを避ける際に利用していく。
「さかさま」の次元ではやはりプレイヤー以外の重力が逆転するので、天井にあるスイッチを押す際に真下に物を置いて次元を切り替えて押したり、切り替える際に物の上に乗って一緒に上がったり、また横方向に飛んでいる際に次元の切り替えを交互にやっていけば飛行していくことが可能。
このような特質をもった4つの次元を切り替えながら進んでいくんだけど、どうもどのパズルにしてもパッと見で分かる想像通りな解き方の物が多く、後はそれをどうやって実行するかっていうアクション面の要求の方が強すぎる。
パズル的には上記に書いた基礎止まりのもので全て出尽くしており、それ以上の応用テクニックというのが出てこないのである。
たとえば、足場の無い向こう岸に行く際の解き方だったら、「ふわふわ」で金庫などを向こう岸側に向かって投げる→直後に「のろのろ」に切り替えて金庫に飛び乗る→「さかさま」と通常次元を交互に繰り返しながら飛んでいく、なんていうタオパイパイ(※注:ドラゴンボール)にでもなったかのようなテクニックが正しい攻略方法として要求され、また後半になってもパズルの内容にそれほど差異が無く、違うのは手順が増えたこととタイミングやジャンプの正確性が更に要求されるだけ。
「パズルを解いた達成感」よりも「精密操作を要求された疲れ」の方が強く感じてしまう。


公式ローカライズされており、標準で日本語字幕表示なのだが翻訳の方にも問題がある。英語のダジャレなどが出てきてそれ自体はかなり綺麗に日本語のダジャレとして置き換えられているのはいいんだが、酷いのは博士のセリフなどがネットスラングを使用している箇所が多すぎる。
wktk」「おk」「○○仕事しろ」「GJ(本来はNice Job!と言っている)」、しまいには顔文字の「(´・ω・`)」が字幕として出てきて、意訳の範囲を超えていると非常に感じる。


ただ、マスコットキャラクターのアイクはかわいかった。マップ中にいてプレイヤーにアイテムを渡したり、様々な動作を見せつけるのだが、近づくと多彩なアクションをして表情が豊かで見ていて飽きない。