※追記:下記の改造方法よりもやや半田作業の難易度が上がるがスマートなS端子・高音質化方法
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せ〜が〜
全国1億人(?)のメガドライバーのみなさん、今日もメガドライブ遊んでますか?
メガドライブは1988年にセガが発売した家庭用ゲーム機。
68000とZ80のデュアルCPU構成だったり、FM音源搭載だったりとアーケード基板を意識して設計されたと思われるスペックであるものの、その代償として他の部分にコストカットのしわ寄せがきてしまい、64色しか同時発色できなかったり(ちなみにライバル機のPCエンジンが512色、スーパーファミコンが32768色中256色)、映像や音声周りのアナログ回路が恐ろしくノイズが入っている。コンポジット出力でテレビに映すと、ドットなのか何なのか分からないほどボヤケまくり、赤色の滲みでファミコンなんかじゃないのかと思ってしまうほど。
また付属のAVケーブルだとモノラル出力しか行えない。前方にヘッドフォン端子があるのでそこから取れば問題ないし、メガCD接続時に結局メガCD側に繋いでステレオ出力になるけど、やはり標準ケーブルだけで済めばよかった。メガドライブ2でステレオ出力に対応したと思ったら、やっぱりステレオケーブルは別売りという。
パッと見に関わることに何故に力を入れない!映像や音声が汚かったら、中身のスペックが良くても何の意味ないだろ!ある意味セガらしいとも言えるゲーム機である。
過去S端子出力用の周辺機器が発売されていたものの、入手しにくかったり見つけても高いので、今回はS端子出力に改造することで多少なりとも画質を向上させ、RCAケーブルのみでステレオ出力が出来るように改造する。
今回改造したメガドライブ
電源スイッチや音声ボリューム横にS端子とステレオRCA端子を増設
ちなみにこの改造、CXA1145を使用している機種でS端子出力がデフォルトで用意されていないものであればセガマスターシステム、NEOGEO、MSX2などでも対応しているはず。
- 用意するもの
S端子改造に必要なパーツ
- NJM2268(ビデオ信号用アンプ)
- 電解コンデンサ 100μF 2個
- 電解コンデンサ 22μF 1個
- 抵抗 75Ω 4個
- DIN 4PIN メス側コネクタ(S端子コネクタ)
- その他、ユニバーサル基板、8ピンのICソケットやリード線など適当に
※無くても問題ないと思うけど念のため
ステレオ出力改造に必要な物
自分は千石電商で今回のパーツを購入。
- メガドライブ分解
メガドライブはファミコン、PCエンジン、スーパーファミコンと違い通常の+ネジを使用しているので簡単に分解できる。
裏面の6本のネジを外して上蓋を開けるのみ。ただし、この上蓋の電源LEDがメイン基板とコネクタ付のリード線で接続されているので慎重に持ち上げ、コネクタを引っこ抜く。再び取り付ける際はLED側の長い端子を赤いリード線の方に接続する。
無事に上蓋を取り外せればメイン基板が見れる。
画像は既に改造した後の写真なのでごちゃごちゃしている。レギュレータのヒートシンクで見えないが、緑の部分の下にRGB→ビデオ信号コンバータの「CXA1145(リージョンによって違うかも)」、赤の部分にヘッドフォンのアンプ「AN7108(リージョンによって違うかも)」、黄色の部分が今回追加したパーツ。
今回使用したメガドライブの基板はリージョンVA5という代物。メガドライブも他のゲーム機同様、製造期間によってコストカットの為に様々な改良(改悪も)が行われており、このVA5が改造性、安定性、音質の面で良いと言われている。
メガドライブを分解しないでVA5基板かどうかの見極め方はメガCD接続端子を開けて中を覗くと、青、緑、黄のリード線が見えたらVA5である。
詳しくはこちらのサイトが参考になる。
- S端子バッファアンプ組み立て
自分が組み立てた回路。
ってこんな汚い殴り書きじゃ分からないって人はNJM2268のデータシートから引用してきたブロック図通りに組み立てたほうがいい。
NJM2268の1ピンをCXA1145の16ピンに接続、NJM2268の8ピンをCXA1145の15ピンに接続、NJM2268の7ピンをCXA1145の12ピン、NJM2268の2ピンをCXA2268の1ピンもしくは24ピン、Vout1はS端子のY側、Vout2はS端子のC側に接続する。
VA5ならCXA1145はDIPパッケージなので基板の裏面からリード線で接続するのがやりやすい。VA7やメガドライブ2だとQFPパッケージになっているので半田付けしにくい。
本来なら入力側Y、Cにもカップリングコンデンサ入れておいた方が良かったかもしれないが忘れていた。
- ステレオ出力
AN7108の14ピンを音声左側、AN7108の11ピンを音声右側、AN7108の4ピンに左右それぞれのGNDを接続すればOK。
間にカップリングコンデンサ(もちろん+側がアンプ側)に接続することを忘れずに。
- 改造の感想
キャプチャー環境が無いので正確な比較画像が見せられないのが残念だが、S端子出力にするだけでRGB出力とまでもいかないものの、そこそこドットくっきりはっきりな画質に向上する。
ただし、縦縞ノイズが発生してしまう。同じCXA1145を使ったNEOGEOでS端子改造(今回の回路とは違う回路で)した場合でも縦ノイズが出ているサイトが見つかり、RGB出力時にも縦縞ノイズが発生するようなので(スルー出力したりコンデンサや抵抗を取り除くと綺麗になる模様)、CXA1145のRGB信号の段階でノイズが入ってしまっている模様なので、メガドライブ側にあるCXA1145のコンデンサを容量交換もしくはスルーさせる必要があるかも。
それでもノイズが残っていたとしても、コンポジットのあの滲みに比べれば圧倒的に綺麗だ。
というか標準のコンポジットがダメすぎるwww
ステレオ音声もノイズなども無く問題なくステレオ出力されている。メガドライブ側の音声ボリュームで音量調整も可能だが、メガCDに接続している環境であるならほとんど無意味な改造である。
ちなみに、今回のS端子改造はメガCDのゲームも(当たり前であるが)問題なくS端子出力できるものの、スーパー32Xに関しては標準のAV出力端子を使う関係上S端子出力はできないので注意。