リメイク版「System Shock」が遂に配信開始。BioShockの元となったタイトル。一応日本語字幕対応だが・・・

1994年にPC用タイトルとして発売されたSFアクションロールプレイング「System Shock」のリメイク版が遂にSteamやGOGなどで配信開始となった。

数々のレトロタイトルの現行機向け移植を手掛けてきたNightdive Studioによる開発で、2016年にKickstarterによるクラウドファンディングが成功したものの、方向性を見失ったために開発の延期、更にそこから年月が過ぎ7年が経過して製品として世に出ることとなった。

2072年の未来、とある企業のデータベースにハッキングしていた主人公の名も無きハッカーは居場所がバレて捕らわれてしまうが、連行先の宇宙ステーション「シタデル」の管理AI「SHODAN」の倫理的プロテクト解除を体を強化する神経インプラントとの取引を条件に会社の重役エドワード・ディエゴから持ち掛けられる。プロテクトの解除後、ハッカーインプラント手術の為に眠りへとつくが、目覚めた「シタデル」では「事が起こった後」になっていた。人類を滅亡させようと暴走するSHODANを止める為、そして自らが生き残るために生存者のいないシタデル内を散策することとなる。

タイトルのShockという名前からも分かる通り、名作FPSBioshock」はこのSystem Shockの(システムが簡略化された)精神的続編にあたるもの。

「既に事が起こった後」の舞台で拾えるオーディオログやメモなどから主人公がいない間に何があったのかを紐解いていくストーリーテリングや、マップ内を探索して武器やアイテムを探していくシステムは、Bioshockや他の類似するタイトルに与えた影響がよくわかる。

ゲーム内容自体はオリジナルのSystem Shockに準じたものとなっているが、流石に劣悪だった操作性や敵やアイテムがビルボード(スプライト)によるグラフィックは完全3D化したため、圧倒的に快適なゲームプレイとなった。

マップ形状にしても、そのまま表現してはただ急ばいな坂が配置されているだけでどこを見ても同じ場所にしか見えなかった通路の形状も省略もしくは新たなオブジェクトを配置してある程度場所によって変化を持たせており、単なる迷路にしかなっていない印象だった領域もメンテナンス用通路の役割をもった場所のように印象付けられている。マップの広さがプレイヤーの移動速度もあってか少しこじんまりした印象を受けるが、逆にオリジナルのままの広さを表現すると広すぎて人間が生活していたスペースとして移動するにしてもゲーム中の移動としても、快適とは言えない印象を与えるのでこれが正解か。

バリアや周りのアイテムをマップに表示させる神経インプラントの活用、それら神経インプラントの強化を行える道中のアイテムの発見、限られた弾薬やアイテムのリソース管理といった、サバイバル要素は今なお色褪せてないが、いかんせんゲーム進行において何一つ手を加えられておらず、道中に当然かのように用意されしかも解除しないと進められない配電盤のパズルやハッキングによる360度シューティングはシステムが分かりにくいのに一切チュートリアルは用意されていない、そもそもゲーム進行にしても「○○にいけ」「○○をやれ」といった通信が続編のSystem Shock 2・BioShockとは違いほぼ起こらず道中のメモや場面の状況から自らが考えて判断しないといけないシビアさは昨今のお膳立てされたゲームに慣れているとストレスが溜まるだろう。

オリジナルのSystem Shockファンなら大満足な内容なので遊ぶべきだが、それ以外の人には正直お勧めしにくいのは本音。だが、流石にオリジナル版System Shockを今から遊ぶにはキツ過ぎるし、古典ということで触りたいがある程度現代風な操作感とグラフィックで遊びたい人ならこれを手に出してもいいだろう。

日本語字幕にも対応しているが、壊滅的な誤訳があるわけではないが正直クオリティは相当に低い。

というのも、この手の海外ゲームのローカライズでよくある中華フォントの使用はもちろん、ゲーム中に流れてくる音声はともかくUIの文字が豆粒みたいなサイズでしか表示されず、アイテムの説明文やメールによっては改行されず画面外にはみ出して読むことすら不可能チュートリアルやガイドがないのはともかく、それの代わり自分で解決策を見つけるという行為すら難しい状態だ。ある程度進行方法が分かっていればいいが、英語が読める人は英語設定でやったほうがいいかもしれない。

果たして今後でアップデートで改善されるんでしょうか?