Steam版「僕が天使になった理由(わけ)」が発売8ヶ月後に突如ストアから削除。僕天がBANになった理由(わけ)

※8月5日追記:残っていたR18コンテンツがアップデートで削除され、Steamストアが復活し再び購入可能となる。

 

去年の12月20日にパブリッシャーMangaGamerより発売されたSteam版「僕が天使になった理由(わけ)」(以下僕天)

元々はOVERDRIVE作のアダルトゲームで、Steamでの配信ということでセックスシーンを削除した全年齢版に作り変え、外部パッチを適用することでR18版になるというSteamエロゲーではお約束の形を取っていたが、発売から8ヶ月経った今年7月29日に突然SteamストアからBANされてしまい購入不可能となる。

 MangaGamerでプログラマーを務めるDoddler曰く、何ヶ月もかけてSteam版用にすべてのヌードの削除、シナリオの変更を行って審査を通して発売したにも関わらず、発売から8ヶ月後、開発者側に事前に告知もせず一方的に削除されたとツイート。

サイバーカルチャーとインターネット上の情報を扱うニュースサイト「Daily Dot」の取材に対し、Manga GamerのPRディレクターJohn Pickett氏はゲームが削除されてから数時間後に「ゲームに性的コンテンツを追加したため」という旨の削除理由をメールで受け取ったことを明かし、ゲームはSteamでの発売からアップデートを行っていないと反論。

一方Valveのマーケティング担当Doug Lombard氏もDaily Dotの問い合わせに応じ、「ゲームのデータ内に未成年(に見える)キャラクターのセックスシーンが見つかった。これは外部パッチを使わないと開放されないが、Steamでデータを配信している。審査にも合格していない。」と返答。

更にPickett氏はこの返答にも反論して「アダルトシーンは外部パッチを適用する必要があり、全年齢版にアダルトコンテンツが含まれないよう、細心の注意を払っている。Steamサーバーではアダルトコンテンツを配信していない。」と主張。

 

双方の主張は真っ向から対立する状況だったが、とあるRedditユーザーがSteam版僕天のデータを解析したところ、なんとセックスシーンが数枚残っているとの報告を行う(無修正のCGなので、このサイトでURLを貼るわけにはいかず、見たい人は該当のページを探してほしい)。

自分もSteam版僕天を持っているので確認したが、セックスシーンではなく乳首や性器も写っているわけではないが、全年齢版で使われていない裸体シーンがCGデータとしては残っている事を確認した。

Redditユーザーが報告したCGについては見つからなかったが、7月30日付でCGを格納しているパックファイルがアップデートされているので消された可能性がある。

あれ・・・ゲームを販売してからアップデートしてない、パッチで開放されるシーンはSteam側でアップロードしてない、というMangaGamer側の主張はどこへ・・・

MangaGamer、Valveの双方の主張をもっと細かく聞かないといけないだろうが、現状から判断する限りではValve側の主張通り、(キャラクターが未成年かどうかはともかくとして)ゲームでは表示されないものの許可していないデータをアップロードしており違反なのでBANした、という可能性が十分に高い状況である。


この件からSteamでゲームを配信する開発者に求められることは、仮にSteamで外部パッチによってアダルトシーンが開放されるゲームを配信する場合、パッチで開放されるCGはゲームからは直接見えなくても一つ残らずSteam側ではデータをアップロードせず自社サーバーもしくはValveとは無関係のアップローダーを使う、直接的なセックスシーンでなく裸体だけのシーンであっても審査を通していないシーンであれば必ず削除しておく必要があるということ。

 

Valveの審査はいい加減なチェックじゃなく、発売後でもわざわざデータの解析まで行って念入りにチェックしているのである。まあこのくらい大丈夫でしょ、と安易に考えて審査に提出したり発売しないように注意したほうがいい。

いや、ならなんでどこかで見たことがあるようなキャラクター絵を使った著作権侵害ゲームを今でもSteamで販売許可し続けてんねん。あほか。