Surgeon Simulator 2013

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Greenlight登場時、「本当にこれが手術なのか!?」というようなトレーナームービーで話題を呼び、実際にSteamリリースした直後から売上上位にランクインしている手術ゲーム。


プレイヤーは医師の左手を操作して移植手術を行うこととなるのだが、A・W・E・F・スペースの各キー(変更可能)が左手の各指の折り曲げに割り当てられて、マウス左クリックで腕を下に降ろし離せば再び上昇、マウス右クリックを押しながらマウスを動かすと手首の回転を行うという操作形態となっている。
簡単に言えば立体視表示環境が無いと奥行が感じられないUFOキャッチャーをやっているかのようなゲームで、先の細いメスや注射器といった小物を拾うだけでも結構練習しなくてはならないのはもちろん、ハンマーやドリルといった比較的大きめの道具ですら置いてある角度が悪いとまっすぐ持つことが出来なくなる。もし道具の持ち手が自分の向きと反対方向を向いてしまった場合は、適当に拾い上げて落とし、角度が変わったら再び拾い上げて落とすを繰り返して、こちら側に向くようにうまく調整してやらないといけない。
またメス等の手術用具が臓器に触れると出血、更に悪い場合には血が止まらなくなる場合があるので臓器の切除を行う際は細心の注意を払わなくてはならない。止血剤の注射器もあるものの、やはり拾い上げるまでに相当根気が必要となってくるのでできる限り使わないようにしたいところ。


実際の手術シーンの解説。まず第一ステージは心臓移植なのだが、心臓までたどり着くには肋骨の除去、肺や胃などの臓器の取り出しを行わないといけない。

まずはハンマーを拾い上げて、肋骨を粉砕(!?)。

手首を回転しスナップをきかせてハンマーを振り下ろすのだ!
完全に骨がボロボロになってしまっていて元に戻せるのか心配になるだろうが、手術の目的は心臓を移植することなのだから気にするな。

肋骨が砕け散ったところで、お次は肺の取り出し。思いっきり掴んで、ぐりぐりと引き上げればうまく取り出せるはずだ。容器とかは周りに用意されていないから、取り出した肺は適当にそこらへんへ投げ捨てておけ。

肺が取り出せたら、胃と繋がっている食道、心臓の静脈と動脈をメスで切断するのだ。今回の手術の中でようやく手術らしい手術になったぞ。だが、それもここまでだ。

古い心臓を取り出して、右側の容器の中に入っている新しい心臓を元の心臓の位置に投げ捨てれば移植手術は成功だ!
静脈と動脈はつなげなくていいのか、投げ捨てた他の臓器や複雑骨折した肋骨はどうするのかといった細かい疑問は考えるな。終わり良ければすべて良し。


まあ、こんな感じに本格的に手術を体験することができるのです。


心臓移植の次は腎臓移植。


こちらは大腸、小腸、胃と尿管をメスで切断して除去だけで済み、切断部分さえ分かれば骨を粉々にしない分多少楽な手術。
相変わらず新しい腎臓を元の位置に投げ捨てるだけの簡単なお仕事です。



その次は前代未聞の脳の移植手術。まあ、肋骨を粉砕している時点で突っ込むのも無駄だとは分かりますが。


患者の頭蓋骨を卵を割る要領でハンマーやノコギリなどで割り、脳を取り出し延髄をメスやカッターで切断、新しい脳をこれまでと同様に適当に元あった場所にほっぽり投げればクリアとなる。ただし、脳は今までの内臓と違い、ちょっとでも道具が触れると大量出血、場合によっては即ゲームオーバーとなってしまうので注意。



3ステージクリアすると、今度はスペシャルステージとして救急車の中での手術が行えるようになる。
手術内容は今までと全く一緒なのだが、運転が物凄く荒くて時折車の振動で物が激しく飛び散ったり後方の扉が開いて用具や移植用の臓器が外に飛び去っていきそうな危険なステージ。苦労して体を切開して、よし新しい臓器を、と手を伸ばしたら救急車が勢いよくジャンプして臓器が車外に飛んでいくという光景が幾度と繰り返されることになるだろう。
よく分からんシチュエーションである。救急車なんだから安全運転しろよと。運転手は無免許なのか、それともカーチェイスでも繰り広げているのだろうか?



苦労して救急車での手術ステージ3つをクリアすると、オープニング画面の医師のデスクに黒くてラベルに「????」と書かれたフロッピーが置かれるようになる。

パソコンに挿入すると「君の手術の腕を観させてもらった。特別な任務に協力してほしい。」といった感じのメッセージが表示され、

何故か今度は宇宙で手術する羽目に。無重力状態なので器具も移植用の心臓も宙に浮きあがり、器具を手放した際にその飛んでった器具が必要としていた他の器具や臓器にぶつかって反動で手の届かない場所へと飛んでいくという、過酷な環境下での手術である。
相変わらずどういうシチュエーションなのかよく分からん。宇宙ステーションの人間が突然心臓発作、急きょ移植手術とかそんな感じなのかもしれないが、それなら周りの器具くらいは最低でも固定しておけと。何故に患者の体だけは固定しているんだ。


ツッコミどころが多く手術らしい手術はほぼしないゲームではあるし、初めてプレイする際はその操作性に面食らいなかなか思うように動かせないが、プレイしていく毎にどんどん腕が上達していくのがはっきりと分かり、慣れてくると最初とは比べ物にならないくらい素早く処置できるようになって快感を覚えてくるので、単なるネタゲーとしてではなくコツや感覚を少しづつ掴んでいって攻略していく硬派なアクションゲームとしても意外とよくできているゲーム。