電子回路シミュレータ「CRUMB Circuit Simulator」Arduino付の回路もシミュレータ上で組み立てられる。

PCゲーム配信サイトSteamにて電子回路シミュレーター「CRUMB Circuit Simulator」が配信されている。価格は定価1.000円。この記事を書いている時点で英語版のみ(日本語非対応)。

電子回路の試作などに使うブレッドボード(無数の穴が開いており一列方向にのみ通電状態になっている基板)にジャンパ線・抵抗・コンデンサ・インダクタ・ダイオードトランジスタ・ICなどの部品を差し込んでいき回路を作っていく。ボタンやボリュームといった入力装置、LEDや電子スピーカーといった出力装置といった触ったり視覚的な変化が感じ取れる部品はもちろんのこと、IC類には74HCシリーズ汎用ロジックICだけでなく実際に作った回路からプログラマブル(シミュレータ上のエディタからも直接入力化)なEEPROM(28C16)や64bit SRAMまで用意されていたり

更にマイコンボードであるArduino Nano」も実装、プログラムを組むことも入出力ピンから回路を制御することも当たり前のように可能、液晶部品も用意されているので繋ぐことでArduino Nano上でプログラムされたソフトの映像をそこに映すことだってできるのだ。CRUMBに標準で入っているサンプル回路では古典的なテニスゲームのコードと実際に遊べる回路が収録されている。

 

CRUMB Circuit Simulatorの組み立て例として信号機回路(といっても切り替えが早すぎて装飾用の点灯回路か)を作ってみた動画を載せておく。配線や各部品に流れている電圧・電流まで色分けでリアルタイムに識別できる機能まであってテスターでチマチマ計測しなくともすぐ可視化できるのはシミュレータならでは。

 

現バージョンではローカライズされていないといった点はともかく、ファイル名を指定しないまま保存しようとするとフリーズしたり、部品を選択状態にしたまま新規プロジェクトを作ると部品の選択ハイライトが消えないままといったバグが多い問題、多足の電子部品を向きを変えて配置するといった操作方法がわかりにくい、当たり前だがまだまだIC中心に種類不足という欠点も目立つが、部品を購入する必要が無い、場所も取らない、後片付けも不要、電圧をかけすぎたり配線を間違えて壊すなんてことも無い、と実際に電子回路を組む際の煩わしさを感じることなくテストできるのは快適だ。

まずはこのシミュレータ上で組んでみて問題ないようであれば実回路を用意するといった使い方も考えられ、趣味で電子工作をする人も教育として電子回路を組む人にもお勧めなソフトだ。