NVMe SSD ブート非対応のマザーボード「Z87X-UD3H」でNVMe SSD ブートを行う

自分のPCはGPUこそ最新のGeForce RTX 3060 Tiにアップグレードしたりしているのだけど、CPUはCore i7 4790K、マザーボードIntel Z87チップセットの「GIGABYTE Z87X-UD3H」と7年近く前に発売されたパーツを使い続けている。

既に現行のCore i3にすら劣る性能とはいえ、これでも(Cyberpunk 2077を除いて)ゲームを遊ぶのには力不足を感じず、CPUを交換するとなるとマザーボード・メモリ・更には認証しているOSも買い直しとなるので性能向上に対するコストパフォーマンスがGPUに比べて悪いので使い続けている。

短所を言えば、Intelチップセットで公式にNVMe SSDからのブートをサポートしたのが9シリーズ以降となるので、8シリーズとなるこのZ87ではNVMe SSDにOSのインストールが行えないくらいだった。OS用にはSATA SSDを接続しているが、2年以上使っていて書き込み速度がTrimを実行してもシーケンシャル書き込み速度がが論理値の半分程度しかでてこず、稀にディスクチェックが起動時に走るようになってきているのでデータはバックアップは取っているとはいえ交換しておきたいのだが、どうせだったらもっと高速なものにしておきたい。

非対応とはいえ実は8シリーズ以前のマザーボードでもUEFIに手動でNVMeブート用プログラムを組み込めば動かせるという情報を手に入れたのだが、本当に導入できるのか失敗した場合最悪動かなくなるという問題もあって試してこなかったが、ネットを調べているとGIGABYTE公式の最新ベータUEFIよりも新しいCPUマイクロコード(脆弱性Spectre/Meltdown対応)・SATAやLANのファームウェアを更新する改造UEFIが出回っているのを見つけ、しかもこのUEFIには最初からNVMeブート用プログラムが組み込まれているのを見つける。

NVMeを使わなくても気持ち的に最新版のCPUマイクロコードは使いたいし早速適応。

マイクロコードやファームウェアの更新と言っても、内部的な細かい変更でユーザーには体感できたり視覚的な変化はない(バージョン表記も公式版の10bのまま)と思ったが、Turbo Boostをオートにしておくと公式UEFIがマルチスレッドプログラムでは4.2GHz駆動に下がるのに改造UEFIは全コア4.4GHz駆動に上昇する作用があった。

挙動の変化から改造UEFIが導入できていることが確認できたので、次はNVMe SSDブートが行えるかどうかもテストしてみた。

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SSDはKingstonのA2000 1TB(Read:2200MB/sec、Write:2000MB/sec)、更に発熱対策としてヒートシンクも購入しておいた。

熱伝導テープで張り付けたりクリップで止めたりするタイプが主流だが、購入したヒートシンクは下に薄いU字金属板、間に熱伝導シートとSSD、上にフィンでサンドイッチ状態で挟みネジで止めるもので、全体を包み込み様な形になるので熱伝導の面で有利、熱伝導シートさえ交換すれば使いまわしも用意、しかも価格も安い(購入時約900円)ということで購入。

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使い方は簡単。付属の0.5mm厚の熱伝導シート(保護フィルムを両面とも剥がしておくこと)をSSD基板の裏側、1mm厚の熱伝導シートを表側に貼り付けてU字金属板の間に挟み込みそこに更にフィンを上から乗せてネジ止めするのみ。見た目的にも違和感がなく、最初からこの形で売っているNVMe SSDのようにも見える。

 

Z87X-UD3HにはNVMeスロットはもちろん存在しないので変換基板も必要だ。

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別のマザーボード用に買っておいた基板があったのでこれを流用しておいた。これも必要最低限の機能で約800円程度と安かったのが購入の決め手。

拡張スロットに刺すもののブラケットで固定せず、x16サイズのPCI Expressスロットの差込口だけで固定されるものだが、ヒートシンクと基板の重量を合わせても70~80g程度しかなく根元がラッチでロックされるので重みで外れることはないはずだ。

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NVMe SSDを組み込んだ変換基板をZ87X-UD3Hの一番下にあるx16サイズのPCI Express(PCIEX4)に接続する。右端にラッチがあるのでラッチが平たんになって固定されていることを確認しておこう。

なお、このスロットは形状がx16でもチップセット側のPCI Express 2.0をx4で接続するためSSDの速度は読み書きともに最大2GB/sec止まり、またCPU側のPCI Express 3.0 x16の真下にあるx1スロット二つ(PCIEX1_2・PCIEX1_3)と共有している関係でNVMe SSDを接続するとこの二つが使えなくなってしまう。CPUやバックパネルに一番近いx1スロット(PCIEX1_1)は独立しているため、ここだけはSSDを繋いでいても使うことができる。

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PCに組み込んだら、間違ってブートしないように元のSSDを取り外しておいてOSのインストール。SSDにはクローンソフト(Acronis True Image HD)のプロダクトキーが付属しているので使っていたOS用SSDの内容をそのままコピーしても良さそうだが、長年しようしていてゴミが溜まっているだろうし、ストレージの環境の違いから不具合が発生する可能性もあるのでクリーンインストールをしていおた。

最新のWindows 10インストーラUSBメモリに書き込みインストーラを起動、PCI Express接続のSSDドライブにインストール先を指定してそのまま進めていき、問題なくインストールが進行、OSが起動すれば完了だ。Windows 10のライセンス認証はマザーボード単位で行われ、ネットに繋がる段階で自動的に認証されるのでOSインストールの最初に提示されるプロダクトキーの入力は「プロダクトキーがありません」ボタンを押せば入力する手間が省け、USBメモリSSDも高速というのもあってものの10分もしないうちにインストールが完了してしまった。

SATA-USB変換ケーブルで元のSSDから直接データなどをコピーして移行作業も終える。

 

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CrystalDiskMarkベンチマーク結果とベンチマーク直後のCrystalDiskInfoでの温度情報

本来はPCI Express 3.0接続のSSDPCI Express 2.0接続ということもあって論理値よりも600MB程度低い結果にはなっているが、6Gbps/sec止まりのSATA接続では叩き出せないスコアとなっており、ヒートシンクもつけて真冬ということもあってか温度も30度にしか上がらない。

PCの起動自体もSATA SSDの時よりも高速になっており、本当に秒でデスクトップ画面が表示されるようになったので大満足な結果となった。