アマゾンがPCゲームのネット販売に参入 日本の潜在市場狙い

日本経済新聞

日本では、パソコン向けのパッケージゲーム市場は様々な要因から極めてニッチな市場になっている。収益を出しにくい市場だからだ。


 取引慣習として、一般書籍と同じように店頭に並んだゲームの返品は、店頭側の意思で自由にできてしまう。また、中間マージンも流通と店頭で5割以上取られ、在庫リスクの大きさも考えると、ゲーム会社にとっては利幅が小さいビジネスなのだ。

そのため、ニッチな市場に合わせる形で、定価も驚くほど高いことがめずらしくない。8000円から1万円を超えるような価格設定になっている場合すらある。アメリカでは50ドルで販売されているゲームが、日本語化するだけで、9000円近い価格で売られるようなことが起きている。海外で販売されているゲームの販売権を取得するためには、最低販売本数の契約を結ぶことが普通だ。そのため、販売見込みが少ないにもかかわらず、その契約分の費用が上乗せされるため高価格になり、さらに販売が厳しくなる。

ダウンロードのゲーム市場が非常にやっかいなのは、実際の市場規模といった数値を各企業が発表しないために、実態が明らかでない点だ。それでも、概算ではパソコン向けゲームのダウンロード市場は、全世界で40億ドル規模あるとみられている。
その多くを米Valveが押さえている。同社は、「Steam」というパソコン向けのクライアントプラットフォームを展開しており、ユニークユーザー数は3500万人を超え、リアルタイムのアクティブユーザーはピーク時には400万人を越える。

アマゾンの今後の戦略は想像しやすい。まず、日本の独立系ゲーム会社のタイトルの取り込みを狙ってくるだろう。個人やサークルが販売しているゲームは、同人誌専門ショップに委託販売を行われるケースが一般的だ。しかし、これも個人やサークルにとって在庫リスクが大きく、下手をすると大量の在庫を生み出してしまう。これらのゲームが、Steamに進出を試みるケースが出始めているが、国内でネット流通のプラットフォームが成立すると、今後集約化されてくる可能性がある。


日本経済新聞にSteamが紹介されるとは・・・
今の日本のPCゲーム市場の問題点が書かれているし、海外のダウンロード市場の現状、同人(インディーズ)ゲームの取り囲み等、なかなかの良記事。