1993年に発売されたFPSの金字塔「DOOM」、その続編「DOOM II」と各種追加エピソードに加えNightdive Studios・MachineGames共同開発のエピソード「Legacy of Rust」収録、日本語字幕への対応、FM・MIDI音源のBGMだけでなくリミックス版追加、クロスプラットフォームによる対戦・協力マルチプレイ、Modブラウザなどの対応を施し8月9日に再リリースされた「DOOM + DOOM II」
オリジナルのDOS版もそのまま入っているのでWADファイルだけ抜き出して、各種ソースポートで遊ぶことも可能だが、今回はそれとは別にこの再リリース版に収録されていなかったり現行機種向けに発売されていないバージョンのDOOMの話をすることとする。
それが初代PlayStation版DOOM及びFinal DOOMだ。
これはただの移植版では?と思う人もいるかもしれないが、このPS版(Final)DOOMは実はPC版と色々と差異があり、当時の普及機だったPSというプラットフォームでゲーム自体も流通数がそこそこあったためこれが初DOOMという人も多いはずで、そういう人がオリジナルにあたるDOOM + DOOM IIをプレイすると、あれ?DOOMってこんなんだっけ?と思うはず。
差異というのはPCとPSの(主にメモリ量の)スペック差により、マップの構造が簡略化、敵キャラクターのアーチバイルが削除、テクスチャの解像度を縮小及び種類の減少、解像度・フレームレートの低下、といった劣化部分はもちろんあるが、それらを補うようにPSのハードウェアスペックを活かしてマップのカラーライティング・窓や一部敵キャラに半透明表示・炎が揺らめくスカイエフェクト・サウンドのリバーブといった特殊効果を加えたり、音楽がヘビメタ調からホラー調に変更、効果音を一新、更にオリジナルマップの追加といった独自要素があり、オリジナルの雰囲気とは違うPS版ならではのテイストが加わったアレンジバージョンと言っていい仕上がりになっている。
確かにオリジナルのDOOMもいいんだけど、自分が最初に体験したDOOMをもう一度遊びたい、PS版は遊んだことがないけど普段とは違うDOOMを遊びたい、という人も少なからずいると思うが、そういう人でもPSソフトのプレイ環境が用意できない、256*224ドットという低解像度・不安定かつ上限30fpsで今更遊ぶのは苦痛というのが大多数だろう。
ということで今回はこのPS版「DOOM」を現在のPC上でPSエミュレータも使わずプレイする方法を紹介する。DOOM用ModでPS版を再現するTCも存在するが、今回はPS版をそのまま使って動かす「PsyDoom」というポート版を使う。
この「PsyDoom」の特徴としては目の前のPCでPS版が手軽に遊べるというだけでなく
- 4Kや1440pにも対応した高解像度化(PS版は256*224)
- アンチエイリアスの適用(MSAA 4x)
- ワイドスクリーン化
- 60fps以上を超す高フレームレート化(PS版は上限30fpsかつ場所によっては20fpsまで低下)
- 32bitカラーレンダリングによりマッハバンドのない綺麗なシェーディング表示
- ロード時間の短縮
- アナログスティックありのコントローラはもちろん、マウス&キーボード操作可能
- その場セーブ&ロード可能、自動セーブあり、既存のパスワード方式もあり(PS版はパスワード制のみで入力しても入手したアイテムは全て消えての再開)
- バグフィックス
等が行われプレイアビリティが相当に向上し、現在でも遊ぶことに耐えうる理想のPS版DOOM体験が得られる。
画質比較(上がオリジナル相当の画質設定、下が1080p・MSAA 4x・32bitカラー・ワイドスクリーン適用時)
なお、遊ぶためには実PlayStation版「DOOM」もしくは「Final DOOM」のCD(をイメージ化)が必要になってくるので注意。
まずは「PsyDoom」の実行ファイルをGithubのReleaseよりダウンロードしてくる。
この記事を書いている時点で最新バージョンは1.1.1となっており、Windows環境が大半だと思うのでPsyDoom_1.1.1_Windows_x86_64.zipをダウンロード。
適当なフォルダ(名前はもちろんPsyDoomがいいだろう)を作り、そこにダウンロードしてきた圧縮ファイル内のPsyDoom.exeを入れる。ついでに「Disk」というフォルダも作っておいてそこにゲームCDのイメージを入れておくと管理しやすい。
ImgBurnなどでPS版「DOOM」もしくは「Final DOOM」のディスクを読み込み、作成したimg/cueのイメージファイルを先ほどのDiskフォルダに入れておく。
ディスクイメージの準備が完了したらPsyDoom.exeを実行。
起動直後に開く「Launcher」タブにて「Game disc」の場所にある「Browse」ボタンを押して、先ほど作成したイメージファイルの拡張子cueの方を選択。
次は「Graphics」タブ。大体デフォルト設定のままでいいが、右側中央の「Use 32-bit shading」のチェックを入れる。これでマッハバンドが無くなり奥行き表現の陰影がなだらかな表示になる。ただし、やや全体的に明るい印象になる影響もあるので最終的にはお好みで。
最後に「Game」タブ。右側中央の「Skip intros」にチェック。これで起動時に毎回出るメーカーログムービーを飛ばす。上の「Use fast loading」にチェックを入れてもいいが、元からロードが高速になっているし、チェックを入れるとサウンドが鳴り終わらないまま画面切り替わりが発生するので変な印象も与えるのでチェックを外したままでいい。
全て終わったらまた「Launchar」タブに戻り、右下の「Launch PsyDoom!」ボタンを押してゲーム開始。
タイトルロゴでキーを押して、ゲームモード・エピソード・難易度・オプション選択画面に移行。オプションとゲーム終了の項目以外で左右キーを押せば項目を変更、何かしらキーを押せばゲームが開始される。
途中セーブ・ロードはESCキーかコントローラの該当ボタンを押して、OPTIONSを開いて「LOAD AND SAVE」を選ぶ。
ゲームを再起動させた場合も「OPTIONS」から「LOAD」を選べばセーブデータから再開可能。