2018年発売当初、不安定な動作や内部解像度が固定などせっかくのPC移植にもかかわらず最適化不足が数多く指摘され発売から数か月間アップデートを何度も繰り返していたSteam版「イースVIII -Lacrimosa of DANA-」
アップデートで初期リリース版よりはマシになったとはいえ、それでもまだ残る不安定さやザラザラしていてシャープさに欠けるグラフィックなどPC版ならではのメリットがあまりなく、1年以上も音沙汰のない状況が続いていたのでこれ以上の改善が見込めないのかと思われたが、今年になってからグラフィックの大幅アップグレード・安定性の向上・更に試験版ながらローカルCo-opへの対応を行う大型アップデートの配信が開始された。
アップデート履歴が英語でしか書かれていないが、とりあえず大雑把に日本語に翻訳してみた。
グラフィック周り
・任意レンダリング解像度への対応
・ミニマップ表示、ブルーム、リフレクション、ポストプロセスエフェクトの解像度をレンダリング解像度と合うように調整
・不必要なメモリデータ転送による影描写のパフォーマンスを改善
・スーパーサンプリングレンダリングへの対応
・ボリューレトリックライティングの品質を改善
・HBAO+の実装
・草、モンスター、NPCの描写距離設定を追加
・アニソトロピックフィルタリング設定を追加
・アニメーションをフレームレートと同期するよう調整し高フレームレートにも対応
・HQテクスチャDLCへの対応
操作周り
・マウスによるカメラコントロールをdirect 1:1のジョイスティックエミュレーションに置き換え
・移動キーを個別に設定可能になった
・マウス/キーボード操作で歩き動作を行えるようになった
・PCゲーマー向けにデフォルトのキーマップを変更
安定性の向上
・VRAMメモリリークを修正
・稀に生じる言語切り替え時のクラッシュを修正
・64bitビルドにすることで長時間プレイによるアドレス空間のフラグメントを抑制
・競合によるクラッシュを防ぐためレンダリングスレッドの改善
・不必要になったアセット暗号化を削除(I/Oの高速化)
その他
・ローカルCoop(テスト版)の実装
XInputコントローラが二つ必要で、パーティーに二人以上のキャラクターがいるシーンでのみプレイ可能。
プレイするにはゲームの実行ファイルの起動オプションに“--coop"をつけて、二つ目のコントローラのSTARTボタンを押す
ローカルCo-opは実際に試したわけではないが、起動オプションに引数を入れなくてもSteamライブラリからの起動時に通常プレイかCo-opプレイかのボタンチェックダイアログが出てくることを確認。
ローカルプレイとのことだけど、Steamの「Steam Remote Play Together」を使えばフレンド間で疑似的にオンラインCo-opプレイが可能なはず。
参考
アップデートと共に配信が開始された無料の高画質化HDテクスチャはこちらから
ストアページで「ダウンロード」ボタンを押すことで導入できる。テクスチャの高画質化の他、いくつかの素材アイテムも入手する。導入するとゲームがクラッシュしたり、元のテクスチャに戻したい場合は所有DLC一覧から「HQ Texture Pack」の項目を外そう。
グラフィック設定一覧
「解像度」「垂直同期」「スーパーサンプリング」の項目はオプションの「画面」、その他の詳細なグラフィック設定はオプションの「描画」のタブに分かれて設定する形になっている。
一度設定を変更したら一旦ゲームを再起動させないと設定が反映されないので注意。
ではとくとご覧あれ、最高設定・HQテクスチャを導入したこの真のPC版イース8の神グラフィックを・・・
あ、はい。紙グラフィックですね。
元から前世代機並みの画質で、いくら描写距離・ライティング・影描写を改善したところで間違い探し程度の違いでしかないし、絵的にアニメ調のタッチにした方が雰囲気にあっていそうなのに実写的なテクスチャの解像度を上げたところで粘土樹脂人形のようなキャラクター達が余計に背景から浮き上がって見えちゃうっていうね。
とはいえ、ザラザラしたグラフィックがシャープになっただけでもかなり見やすくなったのは間違いない。
アップデート履歴にも書かれている通り、メモリリークやスレッド競合によるゲームのクラッシュを抑制する改善点もこのアップデートには含まれており、動作が不安定でゲームの進行にすら支障が出ていて積んでいたという人もこのアップデートで動くようになっていないか確認してみてもいいだろう。