ファミコン(後期型)改造、AV出力・MicroUSB電源供給・モバイルバッテリー駆動

ハードオフに540円で売られているファミリーコンピュータ(ファミコン)を見ていて、意味もなく無性に改造したくなったのでつい魔が差して購入してきた。

使いもしない物を買っちゃうことってよくありますよね?ね?ね???

今更説明不要だと思うが、ファミコンは1983年に任天堂が発売したゲーム機で、テレビに出力するのにアナログアンテナ線にRFアダプタをかませないといけなかったりして最近のデジタル放送用のテレビではそもそも映せない、大きいACアダプタによる電源でコンセントが邪魔になったりと、今から遊ぶのには煩わしかったりするが、コンポジット(黄色ケーブル)で映像を出力するようにしたり、スマホ充電用に使っているMicroUSBから電源を供給できるようにしてモバイルバッテリー駆動も行える改造を施してみようと思う。

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購入したファミコン

日焼けで本体が真っ黄ん黄んで正直汚ねぇ・・・

このファミコンは正面にFFマークの書かれている俗に後期型と呼ばれるもので、電磁波対策でRFモジュールの変更とカセットスロットが金属でシールドされていたり、内部的にはビデオ信号が増強されているもの。初期型ファミコンだとビデオ信号トランジスタやアンプで増強させないといけないのだが、後期型はカップリング用コンデンサと抵抗だけで問題なくテレビに出力できるようになっており、今回の改造が楽になるのでこの機種を選んだ。

 

まずは分解。本体を裏側にひっくり返せば6本の+ネジが見えるのでそれをすべて外すとケースが上下に外れる。

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基板が見えたら、本体正面側にある緑色のメイン基板を固定している2本のネジ、青いカセットスロットを固定する樹脂にある2本のネジ、金属板で覆われたRFモジュールにある2本のネジを外していき、持ち上げればケースのみとなる。コントローラは基板にコネクタで接続されてるが、外すと壊れそうなので基板に取り付けたままにしておこう。

 

黄ばんだ本体ケースの漂白。

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キッチンハイターを溶かした水をタライなどに張ってケース全体が漬かるようにし紫外線(日光)が当たる場所に暫く放置しておく。自分は一週間ほどこの状態で野ざらしにしておいたが、途中天候が悪い日などもあって十分に紫外線に当たらなかったのか完璧には白くならなかった。それでも、購入時に比べればだいぶマシになったはず。

※追記:プラスチック黄ばみを取る場合はキッチンハイターではなくワイドハイターを使ったほうがよかったらしい

 

次は本題の改造。

まずはメイン基板とハンダ付けで固定されている金属板で覆われたRFモジュールを、ハンダごてとハンダ吸い取り線でハンダを十分吸って分離させてしまう。

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わざわざこんなことしなくても空中配線や空いたスペースにビデオ・オーディオ・電源回路を作ってもいいのだが、空いたRFモジュールのスペースに組み込んだほうが作りやすいし見栄え重視でやってみた。

次はビデオ・オーディオ・電源回路作り。と言っても先ほど言った通り後期型なら質素すぎる回路で

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ビデオ回路はカップリングコンデンサ1個と抵抗1個のみ、オーディオ回路もカップリングコンデンサ1個のみ、電源回路はデカップリングコンデンサを3個配置したがそもそも無くても(ノイズが気にならなければ)動くようになっている。本体側のパワースイッチを電源部分の根本に引き回しスイッチが配線されていたメイン基板の部分を短絡させているが、これも電源ON/OFF時の連続スイッチによるバッテリーセーブの消失対策にやっているので、絶対に引き回さなくてはいけないわけじゃない。

47×90mmにカットしたユニバーサル基板を取り外したRFモジュールに押し当ててネジ穴や固定用の穴の位置を確認し、固定用2mm・ネジ穴3mmドリルで穴を開ける。開けた後は従来のRFモジュールにあった位置にぴったり収まるか確認しておいたほうがいい。

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このユニバーサル基板に上記の回路図通りにパーツを配置していって半田付け。

部品は秋葉原秋月電子通商で購入。コンデンサも抵抗も数字さえ合えばどれでもいいのだが、コネクタは基板に直付けできるようRCAジャックDIP化キット(黄)RCAジャックDIP化キット(白)電源用マイクロUSBコネクタDIP化キットというものを使用してみた。

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完成した基板と取り外したRFモジュール

次にこの完成した基板を本体側のメイン基板に配線。

後期型はメイン基板とRFモジュールが4つの穴と横長な4つの穴、計8つで配線されていたが、

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横長な4つの穴はすべてGND(上の写真で黒丸)、本体正面を下にして基板を裏返し一番左側がビデオ信号(上の写真で黄丸)、その隣がオーディオ信号(上の写真で紫丸)、一番右端が+5V電源(上の写真で赤丸)となる。

 

ついでに、ファミコンをコンポジット出力した際に目立つ縦縞ノイズ対策。

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上の写真の赤丸で囲った部分のように4.7uF程度の容量のセラミックコンデンサを,、PPU(ビデオチップ)の40ピン(+5V電源)とGNDに入れておく。これでかなり軽減されるはず。

 

ハンダ付け作業が終わったらあとは元通りになるように基板を戻していきネジ止めして完成。

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黄ばみは完全に落ちたわけではないが買った当初に比べると気にならないレベルにまで色落ちした。

 

新設したコネクタ部分のある裏側

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ドリルでRCAプラグ用の穴を開けようとしたらケースの方片が割れてしまいそうだったので、チマチマとヤスリを使って穴を大きくしていったが、正直いびつな大きさになってしまった。

 

動作も問題なし。所詮コンポジットだし30年前のゲーム機なのでノイズ対策をしたところで滲みが目立つがコンポジット端子さえあれば最近の液晶テレビでも問題なく映るし、試しにモバイルバッテリーをMicroUSBに刺して電源を入れてみたら問題なく起動してくれた。従来のファミコンは消費電力4W程度なのだが、7805レギュレータを使って9V→5Vに降下させて電源を供給していた分が無くなったので消費電力も軽減され、おそらく0.6A供給が最低限行えるモバイルバッテリーであればいけるはず。

 

でも今更ファミコンで遊ぶ気なんてサラサラないし、そもそもモバイルバッテリーで動いて何が嬉しいというのか。外でもファミコンを遊ぶのか?遊べたとしても携帯機で遊んだほうが遥かに快適だろう。

じゃあなんで買った!?と思われるかもしれないが、最初に言っただろう!

使いもしない物を買っちゃうことってよくありますよね?ね?ね???