Xbox One独占タイトルだった「サンセットオーバードライブ」のPC版が配信開始

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「スパイロ・ザ・ドラゴン」や「ラチェット&クランク」シリーズ、最近ではPS4専用ソフト「Marvel's SPIDER-MAN」の開発元であるInsomniac Gamesが開発し2014年にXbox One独占タイトルとしてマイクロソフトから発売されたオープンワールドシューター「サンセットオーバードライブ」のPC版がSteamおよびMicrosoftストアから発売された。価格は定価2,050円。日本語に対応しており、Steamストアページでは対応言語一覧で音声にもチェックが入っているが、Xbox One版と同じく英語音声・日本語字幕となっている。デフォルトでは字幕表示がオフになっているのでゲームを起動したら、「オプション」→「ゲーム」の項目から「字幕」をオンにすること。

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アメリカにある架空の大都市サンセットシティが舞台に、大企業フィジコ社が発売するエナジードリンクを飲んだ人間が副作用で次々とクリーチャーと化し、主人公やその仲間たちが事件隠蔽のためにフィジコ社が丸ごと隔離した都市から脱出を図るとかいうストーリー・・・でもハッキリ言ってどうでもいい。ストーリーだけ聞くとアポカリプス系かと思いきや、ギラギラと輝くサンセットシティの雰囲気はカラッカラに明るく、パロディネタ、メタなアナウンスやイベントがそこらかしこに散りばめられていたり、スマホスラングを使ったメッセでやり取りを行う無気力な大学生達・ボーイスカウトの格好で日本かぶれのモノノフ集団・TRPGの世界にのめり込んでいるナード達といった個性豊か過ぎる住人たちが出てくるぶっ飛んだ設定。

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主人公はなんの特殊能力も持たず訓練も積んでいないただの清掃員だったはずなのに、ガードレールや電線を次々とグライドしてスピーディーに街を駆け巡り、車や木の上をトランポリンのように跳ね回って障害物を飛び越えたりと、人間技とは思えないバルクールのハチャメチャなアクションを繰り出せる。武器も単なる銃器の枠にとらわれず、爆弾をくくりつけたティディベアや酸をまき散らすスプリンクラー、反射するレコード盤を発射する銃などデッドライジングシリーズやセインツロウ3&4にも通ずるような武器が登場し、グライドで半自動的に動き回りながら次々とクリーチャー達や暴徒を灰と化していくド派手で爽快感溢れるシューティングとなっている。

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Xbox One版では900p/30fpsとなっていたが、今回のPC版ではもちろんこの制約が撤回されており、解像度は最高5K設定、フレームレートも無制限に変更可能となっている。

自分はXbox One版は既にプレイ済みだったものの、このフレームレートの向上はゲームのプレイ感覚に相当大きな影響を与えており、グライド中のスピード感が増したように感じられる。

補足として解像度・アンチエイリアス・垂直同期設定はオプションの「ビデオ」、フレームレートの上限とその他エフェクトのオンオフの設定は「ビデオ(上級)」と分かれていたり、解像度の設定も「項目を変更」ボタンで適用されるのではなく「閉じる」ボタンを押したときの色代わりの項目が選択されるようになっていたり、やや紛らわしい設定となっている。残念なのがシャドウマップの解像度設定が用意されておらず、Xbox One版と同じ解像度のままのようで影にジャギーが出ていたり、テクスチャもXbox One版オリジナルのものをそのまま流用されていてこちらも解像度の低さが目立っていたり、解像度とフレームレートは向上したものの裏を返せばそれ以外は全く違いが無い。

 

現バージョンだとマウス操作にも難があり、しっくりこない加速設定が適用されていて、少し動かすだけでは視点があまり動かず、逆に大きく動かすと今度は動き過ぎて狙った方向よりも飛ぶような操作感となっている。

元がコンソールタイトルで、敵の方を向いて攻撃ボタンを押すだけで当たってくれる大雑把なオートエイムが実装されていて、正確なエイムを求められるゲームではないので素直にコントローラを使って遊んだほうがいい。

 

またPC版は発売された2種類のシナリオDLCはデフォルトで収録されているが、マルチプレイモードの「カオス自警団」は削除されており、シングルプレイ専用ゲームとなっている。自分がXbox One版をプレイした時もカオス自警団は海外エリアも含めても全くマッチングしなかったし、Coopモードというよりスコアを競うような対戦型のモードだというレビューを読んだので、Xbox One版の段階であまり人気が無くPC版で実装しても結局誰も遊ばずサーバーの維持費や移植費が無駄になる可能性があるので削除された可能性がある。