3,000円のジャンクPS Vita修理

ハードオフに物色しに行ったら、ショーケースに「ボタン操作に難あり」というPS Vitaがジャンク品として3,000円で飾られていた。付属品は一切なく本体のみでショーケースからは型番は確認できないが、PSボタンが丸型の形状から型番を調べるとPCH-2000という後期型のようで、初期型と比べると充電方式が専用ケーブルからMicroUSBになっていて本体しかなくてもそこらへんに転がっているケーブルで問題ない。中古で安くても9,000円~1万円くらいはするし、その程度の故障なら自分でも直せそうだったので購入してみた。

ただ、ゲームやセーブデータを保存するメモリカードがSDカードを使用できず、PS Vita専用品しか受け付けないのは出費が大きい。8GBのメモリカードでも2,000円程度して、ダウンロードゲームもPSP用のタイトルを数本購入する予定しかないので1本1GB弱だとしても8GB分も使いきれない。PS Vita本体に内蔵メモリが1GB程度あるが実容量は約1003MBで、動作確認した後に購入したPSP用ゲーム「悪魔城ドラキュラ Xクロニクル」がギリギリ入れられないという中途半端すぎる容量。アップデートかセーブデータ用途にしか使わないならいいが、ダウンロードゲームを購入するならメモリカードも一緒に購入する羽目になる。

話は変わって購入したPS Vitaを家に持ち帰り、充電したところで動作確認。ハードオフに貼ってあった注意書きだが、検証してみた限りでは全てのボタンが認識し、特に押しっぱなしになるような現象も発生しなかった。

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問題なさそうだったのでとりあえず、PSP用ゲーム「悪魔城ドラキュラ Xクロニクル」をPSストアで購入してみたり、ジャンプスクエアの懸賞で当たっていたもののVita本体を持っていなかったので4年と3カ月もの間袋に入れて放置していたPS Vita用ゲーム「To LOVEる ダークネス バトルエクスタシー」を起動して遊んでみたりしてみた。

このまま問題ないかと思いきや、購入した当日は問題なかったのに、翌日になってジャンク品として売られていた通り何か動作がおかしくなる。

現象としては電源ボタンを長押ししていても起動しなかったり、PCとVitaをMicroUSBで繋げば立ち上がるもののホーム画面とアプリ一覧を延々と行ったり来たり、立ち上がった後は電源ボタンを長押ししていればアプリ一覧への移行が収まるが電源が切れない、電源を切るには設定を開いてそこで電源ボタンを長押しする必要があるというもの。

ということで分解して問題個所を調べてみた。

分解にはパーツ屋本舗というサイト4Gamerの分解記事を参考にしたが、最初のうちはボディの爪を外すコツが掴めなかったが、本体下側両サイドのストラップホール?を親指で本体背面側に押して下側両サイドの爪を外した後、LRボタンの隙間から同じように背面側に開くようにしてこじ開けて本体上側の爪を外し、最後にゲームカードを差す場所の蓋を開けてくぼみに指をひっかけて背面側に開けば、金属へらを使用しなくても素手で開けることができた。

ボタンじゃなくて基板のコンデンサや抵抗が悪いのかと思ったが、十字キーやPSボタンのスイッチがある基板とメインの基板をつないでいるフレキシブルケーブルのスイッチ側のコネクタを外して電源ボタンを押すと問題なく立ち上がる。先ほどの症状の際に十字キーやアナログスティックの入力は受け付けているようなので、どうやらPSボタンのスイッチが壊れているのではと推測して交換してみた。本来ならテスターでスイッチの通電状態でも先に調べておくべきだったかもしれない。

PSボタンのスイッチ部分は表面実装タイプのタクトスイッチになっており、基板のパターンとスイッチの足4本を半田で取り付けられているのみ。4本の足についた半田を吸い取ってひっぺ剥がせばいいだけだけど、足の裏にごく少量盛ってあるだけで半田ごてをと半田吸い取り線を当てるだけでは吸い取り切れないと思ったので、あえてはんだを盛った後にそのはんだと一緒に古いはんだを取るやり方をやってみたが、それでもわずかにくっついたまま。仕方なく表面に残った半田が無くなるまで吸い取って、あとはラジオペンチで引きちぎったら綺麗に取ることができたが、下手したら基板のパターンまで引きちぎれる可能性があるので、やる場合はこてで温めつつ引っ張っていった方が良いかと思う。

 

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交換前の左ボタン側の基板。下側のタクトスイッチがPSボタンにあたる。この基板も探せば修理部品として売っているが、2,800円もするので今回は買わない。

 

交換に使用したのはアルプス電子の「SKQGABE010」という型番のタクトスイッチ。価格は5個入りで180円で送料200円。元のスイッチとは形状は全く一緒で、サイズは5.2mm角で同じかと思う

 

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交換後の基板。エタノールで拭いたもののフラックスの焦げ跡が残る

 

交換後は問題なく電源ボタンを押すだけで立ち上がり、PSボタンも正常に押すことができた。

しばらくすると、ボタンを触っていないのにPSボタンが押されたような症状が出てきたが、再び分解しタクトスイッチの半田をもう一度溶かして少量にしてみたり、フレキシブルケーブルのコネクタ側の接触面に接点活性剤「ナノカーボン」を塗って拭いてみたら、今度こそ突然押される現象も無くなり完全に復活。

 

部品代も合わせても、税込4,000円以下でPS VITAを入手することができたが、これといったソフトが本当にないな。ゲーム屋で並んでいるパッケージを確認しに行ってもノベルゲーム類や軽いものが多い印象だし、今はSteamにも移植されていたりするタイトルも多いので既にプレイ済みというタイトルもある。