Hotline Miami 2: Wrong Number クリア 〜 これはなにかのWrong(間違い)であってほしい・・・

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ノーマルモードクリア。ハードモードはもうこれ以上イライラしたくないのでプレイしない、したくない。
元々、初代のDLCとしてリリースする予定だった物なので焼き回し的な内容だとは覚悟していたけど、それ以前の問題で前作の欠点を引き継いで長所は完全に殺して"理不尽"になっただけのゲームになってしまっている。
あのケバケバしいドット絵は更に進化して滑らかにアニメーションする箇所が増え、BGMも前作同様いやそれ以上にサイケディックで魅了される曲ばかり揃っており、ゲームの雰囲気や演出自体は圧巻としか言えない出来。そこだけは本当に評価できるし、他のゲームでは味わえないセンス。
前作はこじんまりとした通路と部屋が点在しているというマップデザインだったけど、本作は本当に開けた場所が多い、部屋と部屋を結ぶ通路だけでも前作のマップ一個分ありそうな勢いである。しかも部屋の壁には複数の窓ガラスが設けられていて敵の視界に入るのにこちらからは向かっていけないし、敵自体が増えて更に銃を持った奴の比率が倍以上いるように感じられる。通路を警備している敵に襲撃をかけてマウントを取っていたり、普通に歩いているだけでもハチの巣にされてしまうシーンが大幅に増え、一気に部屋に突入していって相手を次々に撲殺し倒れている相手にフィニッシュというスピーディーでという展開の多かった前作とは違い、今作はどうしても遠方から狙撃したり一瞬だけ物陰から顔を出して敵を誘い出すといったチマチマとした戦闘になりやすい。


マップが広く敵が多くなったことが更にもう二つほどゲームに大問題を与えていて、マップの全体像が見えず視覚外から銃撃されてしまうというのがこのゲームの死因8〜9割方占めていて、ゲームオーバーになるにしてもチェックポイント間隔にあたるマップ移動までの道のりが敵を相当数殺さないといけないせいでクリアまでの疲労感が半端ない。
前作もクリアまでに相当死ぬこととなるんだけど、巻き戻されるシーンが短いのでリカバリが苦にならず、一心不乱にRキーを連打して再スタートを取っていたものだけど、今作はゲームオーバーになるたびに「うわー、画面外から撃たれた。ありえねー」とか「あんだけ敵倒して、またやり直しかよ!」と集中力が途切れて一瞬イラッときてゲームを休めてしまう時があった。
こういうマップデザインの変更もあってか敵を除く全プレイヤーキャラは数発分の銃弾を撃たれても死なないように仕様が変更されている(接近攻撃は今まで通り一撃死)ものの、散弾するショットガンでは一撃死と同等だし、SMGやARも連射されるのでほとんどの場合一瞬で二発以上食らってしまい意味をなしていないのがいただけない。


使えるキャラクターはステージ・シナリオごとに異なっていて、Jacketを慕う覆面集団Fans、殺人事件を追う刑事やマスク事件を調べる記者、前作にも登場したキャラやその関連人物など。ただ、複数人いてそれぞれ武器だけじゃなく能力も異なるFansシナリオを除いては、他のシナリオキャラはステージ開始時に持てる武器が異なる程度しか選べず攻略の幅は狭く、キャラによっては初期装備の武器しか使えない、あることをしないと銃器が使用できず追い打ち攻撃と打撃武器しか使えない奴がいて強制的に縛りプレイをやらされているかのような感覚になる。


AIやスタック周りのバグは全く改善されていない。敵はぐるぐるとその場を回転し続けたり、近くで味方が死んでいても無反応。プレイヤー側も2キャラ操作することになるスワンマスクのコンビがいるけど、相方の移動はAI制御で時折壁にスタックして動けなくなってしまい、一瞬で操作側にワープしてくるシーンがあり青ざめてしまう。


もしかしたら、これがDennaton Gamesが作りたかったHotline Miamiというゲームだったのかもしれないけど、前作をプレイしていないプレイヤーには序盤の段階で投げ出したくなるような高難易度なゲームで、ストーリーは続編物というのと登場キャラも多いこともあって意味が分からないと思えるし、前作からのファンには求めていた爽快感はなくJacket編でもBiker編どちら派にも疑問符の残る設定になっている。
DLCとして作ってたものなので前作はプレイ済みというのを前提で難易度を向上させようとしたのだろうが、その上げ方が敵の懐に一気に攻め込めないような調整の仕方になってしまっていて残念。