ゲームパブリッシャーは何故リージョン規制をするのか

スチマーを悩ませる「おま国」
「なんで買わせないんだ!表現規制されボッタクリ価格の日本語版買えっていうのか!」と大半のスチマーが思う酷い仕打ちだけど、何故こういうユーザーに対して不利益にしかならない行為をパブリッシャーがやらざるしかない状況になるか考えてみた。
Valveの中の人に聞いても「あくまでもパブリッシャーが決めている。自分たちは分からない」という返答だし、パブリッシャーに直接メールやフォーラムで聞いてもイマイチはっきりとしないので、あくまでも自分の憶測しか書いていない、会社によって理由も違うはず、そもそもこんな分かりきった憶測を何を今更、程度の話であまり面白いもんじゃないと思うので適当に読んでください。


リージョン規制が入る理由はおおざっぱに三つ考えられる。

  • 売上の問題

これが一番大きい問題だろう。
ハッキリ言ってダウンロード販売でゲームを入手できる環境にある人間が、日本語版を買おうと思うメリットが少なすぎる。
片方はローカライズされていないとはいえ表現が規制されておらずゲーム性も壊されずかつ価格も安い、もう片方はしっかりとしたローカライズされているとはいえ売りの表現が規制され下手したらゲーム性まで崩壊しているのに価格が高い、ゲームそのものを楽しみたいコアなゲーマーが多い洋ゲーでは後者なんて買う人間は少数派だろう。
「日本でも買わせろよ!」と思う人も多い(自分もだけど)が、仮に自分の勤めている会社の取り扱っている物がニッチな商品で、同じ品質かそれ以上の物が格安で海外から輸入されている状態になり、明らかに売上が上がらないということになったらどう思うか。

  • 余計なトラブルや批判を代理店に押し付けられる

これも原因なのかもしれない。
国によって法律や表現規制にも差がある。
商品として出している以上、売った後のサポートも大事である。だが、言語、文化、価値観が大きく違う人間を相手にするというのは相当な労力を強いられる。
日本では暴力表現が厳しいけどエロ表現が緩い、アメリカはエロ表現が厳しいけど暴力表現が緩い。でも、緩いと言ってもあくまでも批判している団体の影響力や数が弱いだけだったり、更にマイナーな存在なので世間から知られず取り上げられないだけで、何か問題が生じれば一気に規制派が力を強め世論も含めて規制に乗り出してくる可能性がある。
イギリスの議員がAmazonで売られている日本のエロゲー「レイプレイ」を取り上げた事件がある。でも、そのレイプレイは正規に会社が販売しているわけでなく、勝手に輸入業者が発売していたものなのに批判され、更には本国である日本にまで問題が言及し、「レイプレイ」は小売店から抹消され、倫理規定も見直しすることになった。
暴力表現があるゲームも同じである。
予期しないトラブルで金や時間を無駄にするよりは、無修正のゲームを直接日本のユーザーに売るのを止めて全部日本の代理店に任せておけば、表現などで何か問題が発生しても「私たちは日本で直接発売していません。日本での発売に関する責任は代理店にあります。」と言えるし、自国にまで問題が言及する可能性も少なくなるだろう。

  • 権利関係

これは版権物が多いだろうけど。パブリッシャーやデベロッパーだけじゃなく、他の会社も絡んでくるようなものはかなり話が複雑になってくる。


会社としてやっている以上、利益を出さないといけないし社会的なイメージも確保しないといけない。
だがそれを守ろうと思えばユーザーからの反感を買い、余計に悪くなる可能性もある。
どちらを取るか難しい問題である。