人種差別が色濃く残る60年代アメリカ、裏切られファミリーを殺されたベトナム帰りの黒人を主人公にしたクライムアクションゲーム「MAFIA 3」Steam版が日本でも今日正式にアンロックされた。2K Gamesとしてはお馴染みの仕様で他国に比べるとやや価格設定が高くなっているが、Steam版でも字幕が日本語の日本語版となっておりしかもコンソール版では規制されているトップレスのストリッパー・収集物のプレイボーイやアートのヌードグラビアは無規制となっていて、おっぱい丸出しのストリッパーやグラビアを拝むことができる。
ゲーム内容自体は舞台そのものはオープンワールドかと見せかけて実質ストーリーを追いかけていくだけで一本道だった1・2に比べると、その点を一部から批判されたためかフリーライド形式でマップ上を自由に移動して依頼人の仕事を請け負っていく巷にあふれるオープンワールドゲームと同じシステムとなっている。ただ、請け負う仕事の内容がほぼ特定の場所にいるターゲットの暗殺・尋問、設備の破壊、物資の運送、車の尾行だけで毎回毎回同じようなことの繰り返しをする羽目になってマンネリ感が非常に強いゲームプレイになっている。またオープンワールド系の欠点でもある移動時の退屈さも、車が重たくて移動に時間がかかるためか他のタイトルよりも強く感じられ、折角ストーリーテリングや雰囲気こそ最高なもののオープンワールドであることが完全に足を引っ張っていて却って仇になっている。
敵のアジトでの行動は銃撃戦でもステルスでもどちらでもプレーヤーの自由に行うことができ、持てる武器は同時に2つまで銃器類に4つの投手系武器、体力は半分までは自動回復でそれ以上は回復アイテムを使用、アーマーが別に入手可能、ステルス中は敵の視界に入るとゲージが溜まり満タンになると見つかるという銃撃にしろステルスにしろオーソドックスなカバーアクション付きのTPSゲームと同じで、オリジナリティこそないものの他のゲームをプレイしている人ならすんなりと遊べるようになっているが、ステルス時の敵の発見メーターの溜まり方が変で、近くにいてもゆっくりとゲージが溜まる仕様になっていて目の前を図体のデカい黒人が物陰から物陰に行き来していても見つからないし、ダッシュで敵まで走って行って気絶させていくランボープレイでも意外とステルスを維持できたり、銃声への反応も何故か1テンポどころか2テンポ遅くて謎の間をおいてからようやく警戒モードになったりステルスのシステムにも難が多い。
入れる建物の数は非常に多く、ミッションで使うような大がかりな場所以外にも使いまわしも多いとはいえ小さな店舗、空き家、倉庫といった場所にも入れて、この点だけに関しては他のオープンワールド系ゲームよりも優れている。更に時代背景を反映してなんと「NO COLORED ALLOWED」(有色人種お断り)と看板に掲げられた店も点在して、入店しているところをしばらく見られると通報されるという非情さまで描かれているのは細かい。
登場人物には前作の主人公ヴィト・スカレッタも登場。ただ、白髪が目立ち肌は汚れてたり、服装もシワシワのスーツだったり皮ジャケット、ポロシャツ姿ばかりで見た目的に冴えない中年といった感じで、小物臭やホームレス臭が凄い。とよく考えたら前作でもマフィアっていうよりチンピラ的な活動ばっかりだったし、家燃やされたりと散々な目に合ってたんだな。
現在のバージョンではリリース時に問題にされた30fps制限は撤廃され、グラフィック設定からフレームレート上限を設定可能となっているが、GeForce GTX 1070でも1080p 最高設定だと室内シーンでなら60fps近く出るものの街中を走行すると45～50fps程度しか出ず最適化不足のように感じられるし、グラフィック周りにものすごいバグが残っていて早期アクセスのゲームかと疑いたくなるかのような光景が何度も出てくる。
太陽光による道路の反射や逆光は白飛びし過ぎて真っ白になりすぎるし、雨のシーンでは滴る雨を表現したいのだろうが物体の周りに白いスジのようなものが表示され、動いているシーンだと物が崩れ落ちているかのような異次元ワールドに突入したかのような感覚だし、謎の四角いものが画面に表示されたり、特に酷いのが鏡の表現で何故か周りが歪んで表示されるし画面の更新が30フレームとかというレベルじゃなく数秒に1回の割合のようで、鏡の前に主人公が立ってもしばらくしても映り込まず突然映り込んだと思ったら既に違う動きをしているせいで鏡に映った自分と実際の自分が合っておらず、鏡としての役割を全く果たしてないという酷さ。この世界の人間はどうやって身だしなみを整えているんだ。
